3. 実際の受給者は月いくら受け取っている?厚生年金・国民年金の平均月額
ここからは、実際に年金を受け取っている全受給権者(60歳〜90歳以降)の年金月額を、厚生労働省の統計から確認します。モデル年金と違い、こちらは実際の受給者全員の平均を示す数字です。
3.1 厚生年金(国民年金を含む)の平均月額
- 全体:15万289円
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
3.2 国民年金の平均月額
- 全体:5万9310円
- 男性:6万1595円
- 女性:5万7582円
モデル年金の23万7279円(夫婦2人分)と比べると、実際の受給者平均である厚生年金15万289円は、単身の金額とはいえ見劣りする印象を受けるかもしれません。厚生年金は男女差が6万円ほどあるのに対し、国民年金の男女差は数千円程度にとどまります。これは、厚生年金の受給額が現役時代の収入や加入期間に大きく左右される一方、国民年金は加入期間による違いが中心であるためです。
「モデル年金」の金額だけを見て安心してしまうと、実際に自分が受け取る額とのギャップに後から戸惑うことになりかねません。モデル年金はあくまで平均的な収入で40年間フルタイムで働いた場合の一つの例であり、女性や非正規雇用期間が長い方などは、これより少なくなるケースも多く見られます。
ご自身の年金の見込み額は、日本年金機構の「ねんきんネット」や、毎年届く「ねんきん定期便」で確認できます。冒頭で紹介した「収入がほしいから働きたい」という高齢者の実感を裏付けるように、実際の受給額を知ることで、就労を続けるかどうかの判断材料にもなると思います。
4. まとめ
内閣府の調査によると、日本の高齢者は「収入を伴う仕事をしたい」と考える割合が4カ国中で最も高く、その理由の半数近くは「収入がほしいから」というものでした。
実際、令和8年度の年金額は前年度から引き上げられたものの、実際の受給者平均は厚生年金で月15万289円、国民年金で月5万9310円にとどまっており、モデル年金の水準とは差があります。
年金だけで生活費をまかなえるかどうかを早めに試算し、必要に応じて就労継続や資産の活用も選択肢に入れながら、老後の家計を計画していくことが大切です。
参考資料
LIMO編集部年金解説班
