帝国データバンクが2026年8月31日に公表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、主要な食品メーカー195社における2026年9月の飲食料品の値上げは4923品目でした。単月では今年最も多く、値上げ1回あたりの平均値上げ率は11%です。
前年9月の1467品目から約3倍になりました。買い物のたびに「また上がっている」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そうなると気になるのが、手元のお金をどこに置いておくかです。投資はしたいけど、リスクは怖いーそう悩まれる方は証券会社時代も多くいらっしゃいました。
最近は、預金の金利も上がってきたのだから、わざわざ投資しなくてもいいのでは、と思う方もいるかもしれません。
たしかに預金の金利は上がっています。日本銀行の統計では、普通預金の平均年利率は1年前の0.183%から0.306%になりました。
では、上がったあとの金利で20年積み立てると、投資との差はどれくらいになるのでしょうか。今回は月1万円から10万円まで、積立額ごとに試算して確かめていきましょう。
- 普通預金の平均年利率は0.306%(2026年8月)。1年前の0.183%から上がったが、月3万円を20年積み立てたときの利息の差は9万1095円
- 同じ月3万円・20年でも、年3%で運用できた場合は984万9060円。預金の742万3908円との差は242万5152円
- 新NISAの年間投資枠はつみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で合計360万円。非課税保有限度額は1800万円、非課税保有期間は無期限
1. 新NISAとは。年間投資枠と非課税保有限度額を確認する
試算に入る前に、制度の形を押さえておきます。金融庁の説明から確認します。
NISAは少額からの投資を行う方のための「少額投資非課税制度」で、2014年1月に始まりました。2024年1月から新しい制度になっています。
いちばんの特徴は税金の扱いです。金融庁は、通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかると説明しています。
一方で、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税になります。ただしNISA口座で投資できる上限金額は決まっています。
2024年からのNISAの枠組みは、次のとおりです。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
- 併用した場合の年間投資枠:合計360万円
- 非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠は1200万円が上限)
- 非課税保有期間:無期限
- 口座開設期間:恒久化
- 対象:日本国内に住んでいる18歳以上の方(利用する年の1月1日時点で18歳以上)
非課税保有期間は、つみたてNISAでは20年間、一般NISAでは5年間でしたが、2024年からのNISAでは無期限になりました。制度そのものも恒久化されています。
もうひとつ押さえておきたいのが、枠の再利用です。商品を売却した場合、翌年以降、売却した商品の簿価(取得金額)の分だけ非課税投資枠が復活します。
年間投資枠と非課税保有限度額は、いずれも簿価をもとに計算される仕組みです。
2. 普通預金の平均年利率は0.306%。1年で上がったが、利息の差は9万1095円
預金の金利は、日本銀行が「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」として毎月公表しています。
2026年8月時点の普通預金の平均年利率は0.306%でした。1年前の2025年8月は0.183%でしたから、たしかに上がっています。
図の上段が金利の変化です。普通預金は0.183%から0.306%になりました。
ただ、これを積立に当てはめるとどうなるでしょうか。毎月3万円を20年間、複利で積み立てた場合で比べてみます。
年0.183%なら約733万円で、元本720万円に対する利息は約13万円です。年0.306%なら約742万円となり、利息は約22万円になります。
金利が上がったことで増えた利息は約9万円でした。20年かけての差です。
もちろん、増えないよりは増えたほうがよいことに変わりはありません。ただ、金利が上がったから預金だけで十分、と言えるほどの変化かどうかは、ここで一度立ち止まって考えたいところです。
なお預金の種類によっても金利は違います。同じ2026年8月で、定期預金(預入金額1千万円以上・1年)の平均年利率は0.447%でした。
