3. 父母や祖父母にも順位がある

配偶者や子がいない場合の話です。

3.1 55歳以上で受給開始は60歳から

父母または祖父母は、55歳以上である方に限り受給できます。受給開始は60歳からです。夫の場合と同じ条件になります。

順位としては、子のない配偶者の次が父母、その次が孫、最後が祖父母です。子どもを亡くした親が受け取る場合も、この枠組みで判断されます。

3.2 孫にも年度の区切りがある

孫についても、18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方に限られます。子と同じ定義です。

年齢の要件は順位によって異なりますので、自分が該当するかは順位とあわせて確認することになります。

4. 遺族基礎年金との違いと、今後へ向けた備え

会社員や公務員の方が亡くなられた場合、遺族厚生年金(2階部分)に加えて、遺族基礎年金(1階部分)も受け取れる場合があります。しかし、遺族基礎年金は受け取れる人の範囲がずっと狭い点に注意が必要です。

4.1 遺族基礎年金の対象になるのはどんな人?

遺族基礎年金の対象となるのは、「子のある配偶者」と「子」だけです。遺族厚生年金には存在する「子のない配偶者」「父母」「孫」「祖父母」といった順位はありません。つまり、お子様がいないご夫婦の場合、残された配偶者は遺族基礎年金を受け取ることができません。

4.2 国民年金の第1号被保険者期間があった場合は?

もし亡くなられた方に国民年金の第1号被保険者期間(自営業やフリーランスなど)があった場合は、遺族厚生年金の対象にならなくても、別途「寡婦年金」や「死亡一時金」を受給できる場合があります。

筆者の相談の場でも、「自分は順位が下だから」と諦めて請求手続きをしないままにしていたケースがありました。まずは亡くなられた方の過去の年金加入歴をしっかり確かめ、年金事務所に相談することが第一歩です。

5. まとめにかえて

今回は遺族厚生年金の受給対象者と、その優先順位について解説しました。

遺族厚生年金は、子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母の順で、最も優先順位の高い方が受け取ります。お子様のない配偶者の場合、現行制度では年齢や性別によって受給できる期間や開始年齢が細かく異なっています。

年金制度は時代にあわせて変化していきます。筆者としては、国からの保障内容を正しく把握したうえで、足りない部分は民間の生命保険や預貯金でカバーするなど、ご家庭ごとに無理のないライフプランを定期的に見直すことをおすすめします。

参考資料

村岸 理美