3. 繰上げ受給を選ぶと金額はどう変わるか

ここまでの金額は、いずれも65歳から受け取る場合の例です。受け取り始める時期を早めると、金額は変わります。

3.1 減額率は1か月あたり0.4%

繰上げ受給は、65歳になる前に年金を受け取り始めることができるしくみです。早く受け取れる代わりに、繰り上げた月数に応じて年金額が減額されます。

減額率は、1か月あたり0.4%に繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数を掛けて計算します。なお、昭和37年4月1日以前生まれの人は1か月あたり0.5%で、最大30%です。

3.2 60歳0か月なら24.0%の減額

繰上げの下限となる60歳0か月で受給した場合、減額率は24.0%になります(※昭和37年4月2日以後生まれの場合。昭和37年4月1日以前生まれの方は1か月あたり0.5%の減額となり、60歳0か月で受給すると最大30.0%減となります)。

61歳0か月なら19.2%、62歳0か月なら14.4%、63歳0か月なら9.6%、64歳0か月なら4.8%です。

この減額は一時的なものではなく、その後ずっと続きます。

繰り上げた月数の分だけ、受け取る額が下がります2/2

繰り上げた月数の分だけ、受け取る額が下がります

出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」をもとにLIMO編集部作成

4. 5つのパターンに繰上げを当てはめると

先ほどの5パターンに、24.0%の減額を当てはめてみます。

4.1 厚生年金中心の男性は月4万2430円減る

厚生年金期間中心の男性17万6793円に24.0%の減額を当てはめると、13万4363円になります。差は4万2430円です。

国民年金(第1号被保険者)期間中心の女性6万1771円では、減額後は4万6946円で、差は1万4825円になります。もとの金額が大きいほど、減る額も大きくなります。

4.2 割合は同じでも意味は変わる

減額率はどのパターンでも同じ24.0%ですが、もともとの水準が6万円台の場合、そこから24.0%減った4万円台で暮らしていくことになります。

繰上げを検討するときは、割合ではなく減額後の実額で考えることになります。判断に迷うときは年金事務所で試算してもらえます。

4.3 5パターンから読み取れること

この点について、LIMOの記事「【2026年度に65歳になる人】厚生年金中心の男性「65歳から受け取る年金の概算はいくら?」60~90歳以上「国民年金・厚生年金」受給額分布を一覧でみる!」から要点を引用しておきます。

上記はあくまでも年金額の例ですが、厚生年金の加入期間が長く、収入が高いほど、老後に受け取る年金額は多くなる傾向が見られます。

出所:【2026年度に65歳になる人】厚生年金中心の男性「65歳から受け取る年金の概算はいくら?」60~90歳以上「国民年金・厚生年金」受給額分布を一覧でみる!

5. まとめにかえて

2026年度に65歳になる人の年金月額は、厚生年金期間中心で男性17万6793円・女性13万4640円、国民年金(第1号被保険者)期間中心で男性6万3513円・女性6万1771円、国民年金(第3号被保険者)期間中心の女性で7万8249円でした。

差を生んでいるのは厚生年金の加入期間と収入です。39.8年と6.5年では6倍の開きがあります。

繰上げ受給を選ぶと1か月あたり0.4%減り、60歳0か月なら24.0%の減額が一生続きます。自分の見込額はねんきん定期便やねんきんネットで確認できますので、まずはそこから始めてみてください。

参考資料

中本 智恵