年金の平均額を見ても、自分がいくら受け取れるのかはなかなか掴めません。
厚生労働省は2026年度の年金額改定の公表にあたり、「多様なライフコースに応じた年金額」として、2026年度に65歳になる人の年金額を加入履歴の類型・男女別に5パターン示しています。厚生年金期間中心の男性が17万6793円、国民年金(第1号被保険者)期間中心の女性が6万1771円でした。
この記事では、この5パターンを並べて差がどこから生まれているのかを確認し、そのうえで繰上げ受給を選んだ場合にどうなるのかを見ていきます。
- 2026年度に65歳になる人の年金月額は、厚生年金期間中心の男性17万6793円が最も高い
- 国民年金(第1号被保険者)期間中心では男性6万3513円、女性6万1771円
- 繰上げ受給の減額率は1か月0.4%。60歳0か月まで繰り上げると24.0%減り、一生続く
なお、ライフコース別の年金額については、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 2026年度に65歳になる人の年金額は5パターン
厚生労働省が示したのは、公的年金の加入履歴の類型ごとに男女別で分けた5つの例です。順に見ていきます。
1.1 厚生年金期間中心なら男性17万6793円、女性13万4640円
厚生年金の加入期間が中心だった場合、男性の年金月額は17万6793円でした。平均の厚生年金期間は39.8年、平均収入は賞与を含む月額換算で50万9000円です。
女性で厚生年金期間中心の場合は13万4640円でした。平均の厚生年金期間は33.4年、平均収入は35万6000円です。
1.2 国民年金中心では6万円台にとどまる
国民年金(第1号被保険者)の期間が中心だった場合、男性は6万3513円、女性は6万1771円です。厚生年金の期間はそれぞれ7.6年、6.5年にとどまります。
女性で国民年金(第3号被保険者)の期間が中心だった場合は7万8249円でした。厚生年金の期間は6.7年です。同じ国民年金中心でも、第3号か第1号かで1万6000円ほどの差が出ています。
2. 差を生んでいるのは厚生年金の期間と収入
5つを並べると、どこで差がついているのかが見えてきます。
2.1 加入期間は39.8年と6.5年で6倍の開き
厚生年金期間中心の男性は39.8年、国民年金(第1号被保険者)期間中心の女性は6.5年でした。6倍ほどの開きがあります。
内訳を見ると、前者は基礎年金6万9951円に厚生年金10万6842円が上乗せされて17万6793円です。後者は基礎年金5万3119円に厚生年金8652円が乗って6万1771円になります。上乗せ部分の差が、そのまま全体の差になっています。
2.2 基礎年金の部分にも差が出る
基礎年金は保険料を納めた月数で決まりますので、本来は加入区分による差は出にくい部分です。それでも5つのパターンで6万9951円から5万3119円まで幅があります。
これは、保険料の免除や未納の期間があると、その分だけ基礎年金も減るためです。厚生年金に加入していれば保険料は給与から天引きされますが、第1号被保険者は自分で納める必要があります。
5つのどれに近いかで、老後の設計はまったく変わります。平均額を見るより、自分の加入履歴がどの型に当てはまるかを先に確かめたほうが早いです。

