大手銀行は2026年8月3日から円預金の金利を引き上げました。普通預金は年0.40%、5年ものの定期預金は年1.00%です。

一方、総務省統計局の家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果によると、二人以上の世帯の貯蓄現在高は平均「2059万円」でした。その内訳を5年前と比べると、定期性預貯金だけが減っています。

「とりあえず普通預金に置いたまま」という方も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、貯蓄2059万円の中身がこの5年でどう動いたのかと、金利が上がったいま利子がいくら手元に残るのかを確認します。

ココがポイント
  • 二人以上の世帯の貯蓄現在高は2025年平均で2059万円。7年連続の増加で、比較可能な2002年以降で最多
  • 内訳では定期性預貯金だけが5年前より減り、2020年の607万円から2025年は511万円になった
  • 大手銀行は2026年8月3日から円預金金利を引き上げ、普通預金は年0.40%、5年ものの定期預金は年1.00%になった

1. 貯蓄2059万円の内訳。定期性預貯金だけが5年前より減っている

貯蓄の平均額はよく話題になりますが、中身がどう動いてきたかはあまり知られていません。まず全体の動きから見ていきましょう。

1.1 貯蓄現在高は7年連続で増え、2002年以降で最多になった

総務省統計局によると、2025年平均の1世帯当たり貯蓄現在高は2059万円で、前年に比べ75万円、3.8%の増加でした。7年連続の増加で、比較可能な2002年以降で最も多くなっています。

負債現在高は681万円で、こちらも3.8%の増加です。貯蓄現在高の中央値は1264万円でした。

1.2 定期性預貯金は96万円減り、有価証券は200万円増えた

内訳を2020年と並べると、動きの向きが種類によって分かれます。

貯蓄の種類別に見た5年間の増減。減っているのは定期性預貯金だけ1/2

二人以上の世帯の貯蓄の種類別内訳を2020年と2025年で比べた表

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果」をもとにLIMO編集部作成

通貨性預貯金は556万円から710万円へ154万円増え、有価証券は240万円から440万円へ200万円増えました。有価証券の構成比は13.4%から21.4%に上がっています。

その一方で、定期性預貯金は607万円から「511万円」へ96万円減りました。構成比も33.9%から24.8%に下がり、5年で9.1ポイントの低下です。

金利がほとんどつかない時期が長く続き、定期に預ける意味を感じにくかったことが背景にあると考えられます。

2. 2026年8月3日から、円預金の金利が上がった

その定期預金をめぐる条件が、2026年に入って変わりました。日本銀行の政策金利の引き上げを受けて、預金の金利も動いています。

2.1 普通預金は年0.40%、5年ものの定期預金は年1.00%になった

大手銀行の発表によると、2026年8月3日から円普通預金の金利は年0.30%から年0.40%になりました。円定期預金(300万円未満)も同じ日から引き上げられています。

期間1年は年0.400%から年0.500%、3年は年0.600%から年0.800%、5年は年0.700%から年1.000%、10年は年0.900%から年1.250%です。期間が長いものほど上げ幅が大きくなっています。

2.2 利子には20.315%の税金がかかる

受け取る利子はそのまま手元に残るわけではありません。国税庁によると、預貯金の利子には所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%、合わせて20.315%が源泉徴収されます。

年0.40%と年1.00%で、1年間に手元に残る利子がどれくらい違うのかを並べてみます。

預けた額別に見た、税引後に手元に残る1年間の利子2/2

預入額別に年0.40%と年1.00%の税引後の利子を比べた表

出所:三菱UFJ銀行および国税庁の資料をもとにLIMO編集部作成

平均の通貨性預貯金にあたる710万円で比べると、税引後の差は年3万3946円です。金額の大きさをどう受け止めるかは人によりますが、置き場所を意識するかどうかで差が出るのは確かでしょう。

3. 通貨性預貯金710万円をどう受け止めるか

ここまでの数字は平均です。自分の家計に引き寄せて考えるときは、いくつか気をつけたい点があります。

3.1 平均は2059万円でも、中央値は1264万円

貯蓄現在高の平均を下回る世帯は66.1%で、およそ3分の2を占めます。平均は貯蓄の多い世帯に引っ張られるため、実感とずれやすい数字です。

より真ん中に近い姿を見たいときは、中央値の1264万円を目安にするほうが近いといえます。

3.2 すぐ使うお金と、当面動かさないお金を分けて考える

通貨性預貯金が多いこと自体が問題なのではありません。医療費や修繕費など、いつ必要になるか分からないお金は、すぐ引き出せる形で持っておく必要があります。

金利を意識するとしたら、その先の「当面動かさない部分」がどれくらいあるかを把握するところからでしょう。

中本 智恵
銀行の窓口にいた頃、金利がほとんどつかない時期が長かったこともあり、定期預金にしないまま普通預金に残っている残高をよく見かけました。金利が動いたいまは、当面使わない部分がいくらあるかを一度書き出してみると判断しやすくなります。