4. 窓口では「この紙は何ですか」と聞かれることが多かった

自治体の窓口にいた頃、日本年金機構から届いた書類を持って来られる方は少なくありませんでした。年金の書類は市区町村の担当ではないことがほとんどなのですが、それでも「役所から来た紙」と受け止められて持ち込まれるのです。

4.1 封筒のまま持って来られることが多い

開封されないまま持って来られることもありました。差出人が日本年金機構であっても、見慣れない封筒は開けにくいものなのだと思います。

年金生活者支援給付金の請求書は、はがき単体ではなく封筒に入って届きます。中身を見ないと、はがき型なのかA4型と所得状況届なのかも分かりません。まずは開けて、何が入っているかを確かめるところからです。

4.2 所得の情報がどう使われるかは、意外と知られていない

保険料の計算を担当していた立場から見ると、市町村が持っている所得の情報は、本人が申告した内容がそのまま各制度の判定に回っていく仕組みになっています。だからこそ添付書類がいらないのですが、裏を返せば、所得の申告が済んでいないと判定そのものができません。

収入がなかった年でも申告をしておくことが、結果的にこうした制度につながることがあります。

5. 1人で書けないときの手立てがある

手続きに不安がある方向けの取り扱いも用意されています。

5.1 自筆が難しいときは代筆でよい

日本年金機構は、病気やけがなどの理由で自筆が困難な場合について、代理人などが代筆により本人の氏名などを記入することで請求手続きができるとしています。必ず本人が書かなければならないわけではありません。

また、耳や発声が不自由で電話での問い合わせが難しい場合は、近くの年金事務所へファクシミリなどで問い合わせることもできるとされています。

5.2 成年後見人が提出するときは、本人の氏名を書く

成年後見人等に選任されている方が請求書を提出する場合、氏名欄には年金受給者本人の氏名を記入します。後見人自身の氏名ではない点に注意が必要です。

6. 出す前に確かめておきたいこと

封筒を開けたあと、そのまま出してよいのか迷う場面もあります。3つに分けて見ていきましょう。

6.1 いつまでに届けばよいか

令和7年度の案内では、令和8年1月5日までに日本年金機構へ請求書が届くように提出すれば、令和7年10月分から支払うとされていました。9月に届いてすぐ出さなくても、この期限までなら10月分にさかのぼります。

期限までに届かなかった場合は、請求した月の翌月分からの支払いです。遅れた分は取り戻せないため、届いたら早めに出しておくほうが確実です。

6.2 亡くなった家族あてに届いたときは出さない

日本年金機構が請求書を作成した後に死亡届が提出された場合、記録にデータが反映されるまでの時間差で、請求書が送られてしまうことがあります。この場合、届いた請求書は破棄するよう案内されています。

6.3 以前もらっていた方は、あらためて出す必要がある

要件を満たさなくなって受け取れなくなった方が、その後ふたたび要件を満たした場合は、あらためて請求の手続きが必要になります。自動では戻りません。

世帯の状況が変わったときや、所得が下がったときは、対象になっていないかを確かめてみるとよいでしょう。

7. 出したあとは、通知書で金額と振込日を確かめる

請求書を出して終わりではなく、そのあとに届く通知書で結果が分かります。

7.1 支給金額は審査結果の通知書に書かれている

日本年金機構は、請求手続き後に審査結果の通知が届いた時点で支給金額が分かるとしています。支給対象となる方には、通知書のなかに支給金額が記載されています。

7.2 振り込みは偶数月の15日、年金とは別に届く

給付金は原則として年6回に分けて支払われ、偶数月の15日に年金と同じ受取口座へ、年金とは別に振り込まれます。15日が土曜・日曜・祝日の場合は、その直前の営業日です。

各支払月には、その前月までの2か月分がまとめて支払われます。たとえば12月には10月分と11月分です。年金の通帳記載とは別の行で入るため、金額が合わないと感じたときは通帳の並びを見直してみてください。

8. まとめにかえて

年金生活者支援給付金は、封筒が届いた方全員が受け取れるものではありません。日本国内に住所がないとき、年金が全額支給停止のとき、刑事施設等に拘禁されているときは支給されないと定められています。

一方で、手続きそのものは思われているほど重くありません。課税証明書等の添付は基本的に不要で、自筆が難しければ代筆でもよく、要件を満たし続けていれば翌年以降の手続きもいりません。

まずは届いた封筒を開けて、はがき型かA4型かを確かめるところから始めてみてください。自分が対象になるかどうか、年金が止まっていないかも含めて判断に迷う場合は、年金事務所や給付金専用ダイヤルに個別の状況を伝えて確認することもできます。

参考資料

太田 彩子