厚生年金の平均年金月額は、男性が16万9967円、女性が11万1413円でした。その差は5万8554円です。
単身で暮らす場合、この差はそのまま家計に表れます。年金だけで生活費が足りるかどうかも分かれてきます。
本記事では、65歳以上世帯の貯蓄と家計収支、2026年度の年金額、そして国民年金と厚生年金の平均月額を確認します。
なお、65歳以上世帯の貯蓄額や家計収支に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 厚生年金の平均月額は男性16万9967円、女性11万1413円で、男女差は5万8554円です
- 国民年金の平均月額は全体で5万9310円、男性が6万1595円、女性が5万7582円です
- 65歳以上の無職夫婦世帯は毎月4万2434円の不足で、平均貯蓄額は2494万円です
1. 年金と家計を見るうえでの貯蓄水準。65歳以上の無職夫婦世帯は2494万円
先に資産の状況を押さえておきます。65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額を、LIMOの記事「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」から引用します。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)における平均貯蓄額は2494万円です。この平均貯蓄額は、2024年の2560万円から66万円(▲2.6%)減少し、6年ぶりにマイナスに転じました。内訳をみると、最も割合が大きいのは「定期性預貯金」で778万円、次いで「通貨性預貯金」が766万円、「有価証券」が510万円、「生命保険など」が426万円、「金融機関外」が13万円と続きます。
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
1.1 平均2564万円に対して中央値は1777万円
平均値だけを見ると実態から離れることがあります。有職世帯を含めた数字も確かめておきましょう。
有職世帯も含めた65歳以上の二人以上世帯では、平均貯蓄額は2564万円です。しかし、より実態に近いとされる中央値(貯蓄ゼロ世帯を除く)は1777万円となり、平均値と約790万円もの開きがあります。貯蓄額の分布をみると、2500万円以上の貯蓄を持つ世帯が全体の36.3%を占める一方で、300万円未満の世帯も14.9%存在します。一部の貯蓄額が非常に多い世帯が、全体の平均値を押し上げている構造が分かります。
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
2. 年金と家計の毎月の不足は4万2434円。夫婦のみ世帯の平均支出は29万6829円
毎月の収支はどうなっているでしょうか。65歳以上・無職夫婦世帯の家計を、同じ記事から引用します。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、実収入の合計が25万4395円(うち公的年金などの社会保障給付が22万8614円)、支出は消費支出26万3979円と非消費支出3万2850円を合わせて29万6829円。単純計算で毎月約4万2000円が不足し、この収支差が続くと1年間で約50万円、10年間で約500万円の不足となります。
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3. 年金と家計に関わる2026年度の年金額
年金額そのものも確かめます。公的年金は物価や現役世代の賃金を踏まえ、年度ごとに改定される仕組みです。
2026年度は国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増額となり、プラス改定は4年度続いています。
4. 年金と家計を分ける平均年金月額。男性16万9967円、女性11万1413円
ここからは受給額の実態です。厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」による2024年度末時点の平均年金月額を見ていきます。
※厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。また、厚生年金の月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています。
4.1 グラフで見る国民年金と厚生年金の受給額
受給額がどのあたりに集まっているかは、グラフで確かめられます。
4.2 国民年金は男女とも5万円台から6万円台
〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
4.3 厚生年金の男女差は5万8554円
〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
※国民年金(老齢基礎年金)の金額を含みます
国民年金のみの受給では、男性が6万円台、女性が5万円台にとどまります。厚生年金では男性が16万円台、女性が11万円台です。
単身世帯では、この金額がそのまま生活費の原資になります。自分の見込額はねんきん定期便やねんきんネットで確かめられます。
5. 年金と家計に余裕がないと感じる背景。物価上昇と2カ月ごとの支給
受け取る金額だけでなく、受け取り方も家計に影響します。J-FLEC(金融経済教育推進機構)が2025年12月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」では、60歳代・70歳代の二人以上世帯のうち、60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。
5.1 背景にある物価上昇と医療・介護費
調査では、余裕のなさにつながる項目も示されています。
上位に挙がるのは物価上昇と、医療費・介護費の負担増です。
リタイア後は収入が下がるのが一般的で、単身世帯では収入の柱が1本になります。物価上昇の影響も受けやすくなります。
また年金は、偶数月に2カ月分がまとめて振り込まれます。給料日が毎月あったころとは、やりくりの感覚が変わります。
振り込みのない月をどう回すか。年金生活では、この見通しも欠かせません。


