6. 【試算】年金と家計、単身世帯で年金が月15万円なら足りるのか
ここからは単身世帯の家計に当てはめます。取り上げるのは年金が月15万円というケースです。
支出には家計調査の平均値である月16万1435円を使います。
6.1 年金月15万円でも毎月1万1435円が足りない
- 世帯:単身世帯
- 年金:月15万円
- 支出:月16万1435円
- 毎月の過不足:-1万1435円の不足
- 年間:-13万7220円
- 25年の累計:-343万500円
年金が月15万円でも、毎月1万1435円が足りません。単身世帯の平均支出16万1435円にわずかに届かない水準です。
年間では13万7220円、65歳から90歳までの25年間では343万500円になります。
※支出額は消費支出と非消費支出(税金・社会保険料)の合計です。年金の額面と突き合わせられるよう支出側も総額で揃えています。夫婦のみ世帯は消費支出26万3979円と非消費支出3万2850円、単身世帯は消費支出14万8445円と非消費支出1万2990円の合計です。非消費支出は実収入25万4395円(単身世帯は13万1456円)の平均世帯が負担している金額なので、年金額が低い世帯では実際の負担はこれより小さく、不足額もその分小さくなります。
単身世帯の分かれ目は月16万円あたりです。国民年金だけで月7万円程度という場合、不足は月9万円を超えます。
6.2 25年分の不足は343万500円。20年なら274万4400円
毎月1万1435円の不足を25年間まかなうには、343万500円が必要です。20年間なら274万4400円、15年間なら205万8300円になります。
夫婦世帯の不足額と比べると小さく見えますが、単身世帯では収入源が1本しかありません。取り崩しが始まると戻しにくくなります。
この金額に介護費用や住宅の修繕費は含まれていません。実際にはこれに上乗せした備えが要ります。
不足が続くなら、固定費の見直しや働く期間を延ばすことも選択肢です。まずは手元の資産と並べて確かめてみてください。
7. 【まとめ】年金と家計は男女差と単身世帯の支出を踏まえて見る
厚生年金の平均月額は男性16万9967円、女性11万1413円で、男女差は5万8554円でした。国民年金は全体で5万9310円です。
65歳以上・無職夫婦世帯の家計は、実収入25万4395円に対して支出29万6829円です。毎月4万2434円が不足し、平均貯蓄額は2494万円まで減りました。
2026年度の年金額は国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増額です。受給額の幅は広いので、ねんきん定期便で自分の見込額を確かめてから支出と比べてみてください。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2025年(令和7年)平均結果の概要―(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
三石 由佳