親や配偶者が亡くなったとき、「生命保険に入っていたかどうか」が分からず困った経験はないでしょうか。
本人に確認できないまま相続の手続きを進めることになり、保険証券や通帳、郵便物を家中探し回ったという声も少なくありません。
実は、こうした場合に生命保険各社への加入状況をまとめて調べられる仕組みがあります。
一般社団法人生命保険協会が運営する「生命保険契約照会制度」です。
家族が亡くなったときだけでなく、認知判断能力が低下したときや、災害で家族と連絡が取れなくなったときにも利用できます。
1. 「生命保険契約照会制度」とは何か
この制度は、生命保険会社ごとに個別に問い合わせなくても、対象者が生命保険に加入しているかどうかを一括して確認できる仕組みです。
1.1 運営するのは一般社団法人生命保険協会
生命保険協会は、国内の生命保険会社が加盟する業界団体です。
通常、家族が亡くなった際に生命保険の加入状況を調べようとすると、心当たりのある保険会社1社ずつに連絡を取って確認する必要があります。
加入している保険会社が分からない場合、この方法では手間がかかるうえ、確認漏れが生じる可能性もあります。
生命保険契約照会制度を使えば、生命保険協会を窓口として、加盟する生命保険各社に対する契約の有無をまとめて照会できます。
1.2 対象になる3つのケース
この制度が利用できるのは、大きく分けて3つのケースです。
1つ目は、家族が亡くなったときです。
2つ目は、認知症などにより家族の判断能力が低下したときです。
3つ目は、地震や豪雨などの災害によって家族が死亡または行方不明になったときです。
「生命保険契約照会制度」は誰が使える?想定されるケース別の利用対象者と利用料金1/2
LIMO編集部作成
それぞれのケースで、実際に申し込める人や利用料金は異なります。
家族が亡くなったときに申し込めるのは法定相続人で、利用料金は6000円です。
認知判断能力が低下したときに申し込めるのは、成年後見人・任意後見人、または3親等以内の親族で、利用料金は同じく6000円です。
一方、災害によって家族が死亡・行方不明になった場合は、被災者の家族が無料で利用できます。
※書面申請の場合は7000円
2. 実際に申し込めるのは誰か
制度を利用できる立場にあっても、必要な書類が用意できなければ申し込みは進みません。
2.1 家族が亡くなったときは法定相続人が対象
本人が亡くなったケースで照会を申し込めるのは、法定相続人に限られます。
関係が近いというだけでなく、法定相続人であることが確認できる書類の提出が必要になります。
2.2 認知判断能力の低下時は後見人や3親等以内の親族も対象に
本人がまだ存命で判断能力が低下しているケースでは、成年後見人・任意後見人に加えて、3親等以内の親族も申し込むことができます。
成年後見制度を利用しているかどうかによって、求められる書類は変わってきます。
いずれのケースも、照会代表者自身の本人確認書類は共通して必要になります。
保険証券が見当たらない、通帳の引き落としだけでは会社名まで特定できない、というケースは相続の現場でよく聞かれます。
一社ずつ問い合わせて回るのは負担が大きいため、まとめて照会できるこの制度を知っておくと、いざというときの選択肢が増えます。
