年金収入が少ない方の暮らしを支える制度の一つに、「年金生活者支援給付金」があります。

老齢・障害・遺族の各基礎年金に上乗せされる給付金で、一定の所得要件などを満たす人に対して支給されます。ただし、基礎年金を受け取っていれば、無条件でもらえるわけではありません。

そこで今回の記事では、年金生活者支援給付金について、2026年度の給付基準額、給付対象となる条件や実際の支給額、請求時に注意したいポイントを整理してお伝えします。

1. 年金生活者支援給付金とは?

年金生活者支援給付金は、公的年金などの収入やその他の所得が一定基準以下の年金受給者を支援する制度です。受け取っている年金に応じて、以下の3つに種類が分かれます。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金

給付金の対象者には案内が送付され、必要な手続きを行うと給付が受けられるようになる仕組みですが、受給には一定の要件を満たす必要があります。

支給が決まると、原則として偶数月の15日に直前の2カ月分が振り込まれます。15日が土日・祝日の場合は、その直前の金融機関営業日が支給日になります。

振込先も年金と同じ口座ですが、年金に合算されるのではなく、別の入金として扱われます。

2. 年金生活者支援給付金はいくらもらえる?

2026年度の給付基準額は、2025年の物価変動率3.2%を反映し、前年度から引き上げられています。

給付金の種類 2026年度の月額
老齢年金生活者支援給付金 5620円
障害年金生活者支援給付金・1級 7025円
障害年金生活者支援給付金・2級 5620円
遺族年金生活者支援給付金 5620円

2025年度の老齢・障害2級・遺族の基準額は月額5450円だったため、170円の増額です。障害1級は月額6813円から7025円へ、212円引き上げられました。

ただし、老齢年金生活者支援給付金の5620円は、一律に支給される金額ではなく「基準額」です。実際の金額は、国民年金保険料を納付した月数や保険料免除期間などを考慮して計算します。

このため、支給額が5620円より少なくなる可能性があり、増加率が必ずしも3.2%になるとは限りません。

3. 老齢年金生活者支援給付金の対象者

ここからは、それぞれの年金生活者支援給付金の対象者を見ていきましょう。

まずは、老齢年金生活者支援給付金からですが、この給付金の場合、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
  • 同じ世帯の全員が市町村民税非課税である
  • 前年の公的年金等の収入金額と、その他の所得の合計が基準以下である

所得基準は生年月日により異なります。

生年月日 老齢給付 補足的老齢給付
1956年4月2日以後 80万9000円以下 80万9000円超90万9000円以下
1956年4月1日以前 80万6700円以下 80万6700円超90万6700円以下

所得が通常の給付基準を少し上回る人には、一定範囲内で「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。所得基準をわずかに超えただけで、給付を含む総所得が急激に減少することを防ぐための仕組みです。

また、所得を判定する際、障害年金や遺族年金などの非課税収入は合計に含まれません。

4. 障害年金生活者支援給付金の対象者

障害年金生活者支援給付金は、次の条件を満たす人が対象です。

  • 障害基礎年金を受給している
  • 前年所得が「479万4000円(+扶養親族数に応じた加算額)」以下である

扶養親族1人当たりの基本的な加算額は38万円です。ただし、老人扶養親族などは48万円、特定扶養親族や16歳以上19歳未満の扶養親族は63万円となります。

障害年金などの非課税収入は、この所得判定には含まれません。給付額は障害等級に応じ、1級が月額7025円、2級が月額5620円です。

5. 遺族年金生活者支援給付金の対象者

遺族年金生活者支援給付金の条件は、次のとおりです。

  • 遺族基礎年金を受給している
  • 前年所得が「479万4000円(+扶養親族数に応じた加算額)」以下である

扶養親族に関する加算額は、障害給付と同じ考え方です。遺族年金などの非課税収入は所得判定に含まれません。

「遺族厚生年金だけを受給している」といった場合は、遺族基礎年金の受給要件を満たさないため、この給付金の対象にはなりません。