5. 【老齢年金生活者支援給付金】保険料36年(432月)分の受取額は月5058円
要件を満たしたあと、老齢の金額を決めるのは納付済月数です。432月なら基準額の9割にあたります。
ここで取り上げるのは、その納付済期間432月、年数にして36年間のケースです。
5.1 納付432月は基準額の9割。月5058円・年6万696円
- 保険料納付済期間:432月(36年)
- 月額:5058円
- 年額:6万696円
- 満額(480月)の月5620円との差:月562円
- 20年間受け取った場合の累計:121万3920円
※5620円を基準に、納付済月数が480月に占める割合で求めた金額です。円未満は四捨五入しています。なお免除期間があれば、その分の加算が別途つきます。このケースでは5620円×432÷480=5058円という計算になります。
432月を納めた方の受取額は月5058円で、基準額のちょうど9割です。満額との差は月562円まで縮まります。
20年間受け取り続けた場合の累計は121万3920円になります。納付432月に対応する老齢基礎年金はおよそ76万2566円で、所得基準80万9000円の範囲に収まります。ただし老齢では、これに加えて65歳以上であることと、世帯全員が市町村民税非課税であることも要件になります。
5.2 444月なら月5199円。満額まであと421円
納付済期間を12月増やすと、給付金は月141円増えて5199円になります。年額では6万2388円、20年間の累計では124万7760円です。
432月から444月へ積み増す方法としては、60歳以降に国民年金へ任意加入する、過去の未納分を追納するといった選択肢があります。任意加入は60歳から65歳までの間に使えます(受給資格期間を満たしていない場合は70歳まで)。
2026年度の国民年金保険料は月1万7920円ですので、任意加入や未納分の納付で12月分を納めると、保険料はおよそ21万5000円です。増える給付金は年1692円なので、この分だけで支払いを取り返すには長い年月がかかります。老齢基礎年金の年2万1182円ほどの増加と合算して、ようやく10年程度で見合う計算になります。
免除を受けた期間の追納は、給付金だけを見ると逆に働きます。全額免除・4分の3免除・半額免除の期間分は単価が月1万1768円で、納付済期間分の5620円の約2.1倍にあたるためです。追納した月は免除期間から納付済期間へ移るので、その差のぶん給付金は下がります。
4分の1免除の期間分は月5884円で、納付済期間分とほぼ同じ水準です。学生納付特例と納付猶予の期間はそもそも給付金の免除期間に含まれないため、追納すれば給付金も納付済期間分として増えます。
※免除期間分の単価1万1768円・5884円は、昭和31年4月2日以後に生まれた方の金額です。昭和31年4月1日以前に生まれた方は老齢基礎年金の満額が異なるため、単価も変わります。
満額までは残り48月分です。ねんきん定期便に記載されている加入期間を見れば、いまの納付済月数が分かります。手元にない場合はねんきんネットでも確認できます。
6. 年金生活者支援給付金の所得判定に非課税の年金は入らない
年金生活者支援給付金は前年の所得で判定されますが、その所得に障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。老齢は前年の年金収入等80万9000円以下、障害と遺族は前年の所得479万4000円以下という線が引かれています。
障害と遺族の基準額は扶養親族などの数に応じて上がります。老齢はこれに加えて、65歳以上であることと世帯全員の市町村民税非課税が必要です。
2026年度の月額は老齢の基準額5620円、障害1級7025円・2級5620円、遺族5620円で、前年度から3.2%の引き上げとなりました。所得の区分に迷うときは、年金事務所で確かめてみてください。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎える方で、老齢基礎年金を新規に請求する方」
- 日本年金機構「Q.「支給金額変更通知書」(または「不該当通知書」)が届きました。なぜですか。」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金生活者支援給付金にかかる支給金額のお知らせの送付について」
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
安達 さやか