年金生活者支援給付金の対象になるかは、前年の所得で判定されます。ただし、その「所得」に何が入るかは限られています。
障害年金や遺族年金といった非課税の収入は、老齢・障害・遺族のどの判定にも算入されません。
この記事では、年金額の個人差を押さえたうえで、2026年度の給付額と支給要件、請求手続きの流れを確かめます。
なお、年金生活者支援給付金の制度内容や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 障害年金や遺族年金といった非課税の収入は、所得の判定に算入されません
- 老齢は前年の年金収入等80万9000円以下、障害と遺族は前年の所得479万4000円以下です
- 障害と遺族の基準額は、扶養親族などの数に応じて引き上げられます
1. 年金の受給額はどの程度ばらつくのか。国民年金と厚生年金の平均
老齢の判定では前年の年金収入等が問われます。全体の水準は、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」で確認できます。
厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
2. 年金生活者支援給付金の給付額。2026年度はいくらになるか
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得が一定の基準以下にとどまる年金生活者を支えるため、2019年に設けられました。振込は2カ月ごとで、公的年金に上乗せする形です。
受け取っている年金の種類に対応して3つに分かれ、支給要件と支給額(基準額)もそれぞれ定められています。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
2.1 2025年度から2026年度への改定。金額はこう変わった
2026年度の給付金額は、前年度と比べて3.2%引き上げられています。
【2026年度】
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5620円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
老齢についてはこの額が基準となり、保険料納付済期間等を踏まえて実際の給付額が決まります。
いずれの数字も「月額」です。支給日には2カ月分がまとめて、年金に上乗せされます。表のとおりの金額を受け取れる場合、1回の支給で約1万1000円、年額では約6万7000円になります。
「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、2025年3月時点の平均給付月額(※)は老齢年金生活者支援給付金4146円、障害年金生活者支援給付金5727円、遺族年金生活者支援給付金5228円でした。
※2025年3月において認定されている平均給付金額です。給付基準額が月5310円だった令和6年度に支給されていた金額のため、2026年度の5620円とは基準が異なります。
3. 「年金生活者支援給付金」の支給要件。判定に入らない収入がある
年金生活者支援給付金の支給要件を、種類ごとに追っていきます。
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の対象は、障害基礎年金もしくは遺族基礎年金を受給していて、前年の所得が479万4000円以下の人です。
ここでいう所得に、障害年金や遺族年金などの非課税収入は入りません。扶養親族などの数が多ければ、所得の基準額は引き上げられます。
「老齢年金生活者支援給付金」の場合は、本人の所得以外の要件も加わってきます。
3.1 老齢は3つの要件。世帯の課税状況まで見られる
下記の支給要件をすべて満たす人が、老齢年金生活者支援給付金の支給対象です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
この考え方は老齢の判定でも同じで、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含めずに見ます。
そして「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生まれないよう、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が用意されています。
3.2 補足的老齢年金生活者支援給付金は所得の上がり方で減る
昭和31年4月2日以後に生まれた方で所得が80万9000円を超え90万9000円以下の場合、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下の場合に、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
所得が高くなるほど、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は下がっていきます。
4. 年金生活者支援給付金は請求手続きから。9月以降に届く書類
年金生活者支援給付金を受け取るには、請求手続きが欠かせません。支給対象になった時点で年金に自動で上乗せされるわけではないからです。
すでに年金を受給している方が所得の低下で対象となった場合は、毎年9月の第1営業日以降、順に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。
4.1 【毎年9月に順次送付】はがき型の請求書が届いたときの手順
※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。
これから65歳を迎える方の場合は、誕生日の3カ月前に老齢基礎年金の請求書と一緒に給付金請求書が届きます。同封された用紙に記入し、老齢基礎年金の請求書とあわせて提出してください。
4.2 2年目以降の手続きは不要。判定は前年の所得で
年金生活者支援給付金は、請求書を最初に一度提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降は手続きなしで受給が続きます。
継続支給の判定は前年の所得にもとづきます。結果は毎年10月分(12月支給分)から1年間反映され、対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。
年度ごと(4月分から)の支給金額は、毎年6月上旬に送付される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。


