厚生年金の平均年金月額を都道府県別に見ると、最も高い神奈川県と最も低い青森県で月4万円以上の差があります。年間にすると50万円を超える開きです。
本記事では、この地域差を一覧で確認したうえで、報酬比例部分の計算式をたどりながら、なぜこうした差が生まれるのかを見ていきます。最後に、平均額を確かめたあとで老後資金づくりをどう進めるか、その順番も整理します。
1. 厚生年金の平均年金月額は15万289円
会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※1)に働き一定要件を満たす人は、老齢厚生年金+老齢基礎年金(国民年金)の併給となります。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給者平均年金月額は15万1142円でした。
※1 特定適用事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介
ただし、男女差・個人差があり、実際に受け取る金額は一人ひとり違います。全受給権者の月額分布も見ておきましょう。
〈受給権者全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金部分を含む
1.1 厚生年金受給額の個人差
- ~1万円:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
このように、厚生年金は幅広い受給額層に分布しています。同時に平均年金月額の「都道府県差」もあるのです。
2. 都道府県別に見ると月4万円以上の差がある
厚生年金の受給者平均年金月額は、都道府県で差があります。では、平均年金月額が「多い都道府県」「少ない都道府県」はどこなのでしょうか。
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(※受給者ベース)」より、ランキング形式で見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均年金月額が「高い」都道府県【トップ5】
- 神奈川県:17万457円
- 千葉県:16万5103円
- 東京都:16万3892円
- 奈良県:16万2292円
- 埼玉県:16万1752円
2.2 厚生年金の平均年金月額が「低い」都道府県【ボトム5】
- 青森県:12万8129円
- 沖縄県:12万8819円
- 宮崎県:12万9224円
- 秋田県:12万9503円
- 山形県:13万1169円
- 北海道:14万1069円
- 青森県:12万8129円
- 岩手県:13万2943円
- 宮城県:14万4920円
- 秋田県:12万9503円
- 山形県:13万1169円
- 福島県:13万6880円
- 茨城県:15万2963円
- 栃木県:14万9631円
- 群馬県:14万8666円
- 埼玉県:16万1752円
- 千葉県:16万5103円
- 東京都:16万3892円
- 神奈川県:17万457円
- 新潟県:13万8683円
- 富山県:14万4644円
- 石川県:14万1792円
- 福井県:14万787円
- 山梨県:14万4665円
- 長野県:14万4668円
- 岐阜県:14万9910円
- 静岡県:15万1960円
- 愛知県:16万766円
- 三重県:15万1949円
- 滋賀県:15万4456円
- 京都府:15万1483円
- 大阪府:15万6272円
- 兵庫県:15万9086円
- 奈良県:16万2292円
- 和歌山県:14万5933円
- 鳥取県:13万3459円
- 島根県:13万3918円
- 岡山県:14万6429円
- 広島県:15万745円
- 山口県:14万8166円
- 徳島県:13万4131円
- 香川県:14万4026円
- 愛媛県:14万301円
- 高知県:13万2202円
- 福岡県:14万5822円
- 佐賀県:13万4191円
- 長崎県:13万6825円
- 熊本県:13万2740円
- 大分県:13万6507円
- 宮崎県:12万9224円
- 鹿児島県:13万3343円
- 沖縄県:12万8819円
- その他:13万3788円
都道府県別の平均年金月額において1位の神奈川県と47位の青森県では、その差は月額4万円以上になります。年間で考えると50万円を超えるため、地域ごとの格差は小さいとはいえないでしょう。
もちろん、厚生年金の受給額は住んでいる場所で決まるわけではありません。この差は、厚生年金受給額がどのように決まるかに理由があります。
