老齢年金生活者支援給付金は、本人の年金額だけで対象が決まるわけではありません。

要件のひとつに「同一世帯の全員が市町村民税非課税」があります。同居している家族に課税があれば、本人の年金が少なくても対象から外れます。

安達 さやか
安達 さやか
子どもと同居を始めた年や、家族が働き始めた年は判定が変わることがあります。世帯の状況が動いたら、対象かどうかを見直しておくと安心です。

この記事では、老齢年金生活者支援給付金の支給要件と給付額、支給日、請求手続きの流れを順に見ていきます。

なお、年金生活者支援給付金の制度内容や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
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ココがポイント
  • 老齢の要件には「同一世帯の全員が市町村民税非課税」が含まれます
  • 本人の年金額が少なくても、同居家族に課税があれば対象から外れます
  • 老齢の給付基準額は2026年度で月5620円、振込日は偶数月の15日です

1. 年金生活者支援給付金は3種類。世帯の状況が関わるのは老齢

年金生活者支援給付金は、基礎年金を受け取っている方が所得などの条件を満たしたときに、年金へ上乗せされるお金です。

受け取っている年金の種類に応じて、対応する給付金が設けられています。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

基礎年金を受け取っている方が、所得の低下などによって新たに対象になった年は、例年9月の第1営業日から順に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が薄緑色の封筒で届きます。

※老齢年金を繰上げ受給中の人は、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に届きます。

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金」

はがき型の請求書が届いた場合には、電子申請も選べます。

スマートフォンやパソコンとマイナンバーカードを用意すれば、郵送の手間なく提出できます。

2. 老齢年金生活者支援給付金の支給要件。世帯全員の非課税が壁になる

3種類のうち、ここからは高齢期の家計に関わりの深い老齢年金生活者支援給付金に絞ります。

2.1 要件は3つ。2つめが世帯単位の判定にあたる

老齢年金生活者支援給付金【支給要件】1/3

年金生活者支援給付金制度について

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

次の3つを満たしている方が、老齢年金生活者支援給付金の対象です。2つめは本人だけでなく世帯全員が見られます。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※)である

なお3つめの判定では、障害年金や遺族年金といった非課税の収入は数えません。

※昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

3. 老齢年金生活者支援給付金の給付額は月5620円が基準

金額は据え置きではなく、物価変動率を踏まえて年度ごとに改定されます。

2026年度分は前年度から「+3.2%」の引き上げでした。

年金生活者支援給付金の支給金額2/3

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

3.1 2026年度の給付基準額は月額5620円。実際の平均は4146円

2026年度の基準額は月額5620円です。実際の給付額は、この額をもとに保険料納付済期間などを反映して決まります。

実際の水準はどうでしょうか。厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、2025年3月時点の老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額(※)が4146円と示されています。

※2025年3月において認定されている平均給付金額です。給付基準額が月5310円だった令和6年度に支給されていた金額のため、2026年度の5620円とは基準が異なります。

3.2 支給は偶数月の15日。年金と同じ口座に別枠で入る

支払いは年6回、偶数月の15日です(※15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日に前倒し)

年金と同じ口座に同じ日付で入りますが、扱いは別の振込です。通帳には2つの記録が並びます。

1回に支払われるのは前月までの2カ月分で、10月なら8月・9月分、12月なら10月・11月分になります。

4. 国民年金・厚生年金の平均年金月額。世帯の年金額も確かめておく

世帯で見るなら、家族の年金額も気になるところです。全体の水準を、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から引用します。

厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

5. 老齢年金生活者支援給付金の請求手続き。世帯の状況が変わったら

要件を満たしていても、請求しないうちは支給されません。公的年金本体と同じで、手続きを経て初めて受け取れます。

初回の流れは、これから65歳を迎える方と、すでに老齢年金を受け取っている方で違います。

5.1 65歳を迎える人は誕生日の3カ月前に受け取る書類で手続き

老齢基礎年金の請求書と一緒に、給付金の請求書が届きます。時期は誕生日の3カ月前です。

記入したうえで、年金の請求書とまとめて最寄りの年金事務所へ提出します。

5.2 受給中の人は9月以降のはがきで手続きする

先に触れたように、すでに老齢年金を受け取っている方が所得の低下などで新たに対象となった場合、毎年9月の第1営業日から順に、はがき型の請求書が送られてきます。

必要事項を書いてポストへ投函すれば完了です。

5.3 2年目以降は手続きが要らない。ただし判定は毎年ある

請求は最初の1回で足ります。支給要件を満たしている間は、翌年以降の手続きが不要です。

継続するかどうかの判定は前年の所得でおこなわれ、その結果は毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。

給付額に変更があれば「年金生活者支援給付金支給金額変更通知書」が、要件から外れた場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が、それぞれ自宅に届きます。

安達 さやか
安達 さやか
世帯の課税状況は毎年判定されます。家族構成や働き方が変わった年は、対象から外れることも対象に戻ることもあります。