再来月10月は年金の定期支払日がある月にあたり、振込額をあらためて確かめる機会でもあります。
厚生年金の平均受給額は全国一律ではありません。都道府県別に見ていくと、月額で4万円以上の開きが生じています。
この記事では、厚生年金・国民年金の平均年金月額を都道府県別に確認し、地域差が生まれる理由を解説します。
なお、公的年金の仕組みや平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 厚生年金の平均年金月額は神奈川県17万457円が最高、青森県12万8129円が最低
- 1位と47位の差は月4万円以上、年間では50万円を超える
- 国民年金は納付月数で決まるため、厚生年金ほど地域差は大きくない
1. 厚生年金の全国平均は月15万289円
都道府県別の数字を見る前に、まず全国の平均額を押さえておきましょう。
厚生年金の全国平均については、「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認してみます。
厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
この15万289円という数字を基準に、次章から地域ごとの違いを見ていきます。
2. 厚生年金の平均年金月額、都道府県別ランキングの上位と下位
厚生年金の平均受給額には、住んでいる地域によって差があります。上位と下位にはどの都道府県が並ぶのでしょうか。
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、ランキング形式で確認します。
2.1 厚生年金の平均年金月額が高い都道府県【上位5都県】
- 神奈川県:17万457円
- 千葉県:16万5103円
- 東京都:16万3892円
- 奈良県:16万2292円
- 埼玉県:16万1752円
2.2 厚生年金の平均年金月額が低い都道府県【下位5県】
- 青森県:12万8129円
- 沖縄県:12万8819円
- 宮崎県:12万9224円
- 秋田県:12万9503円
- 山形県:13万1169円
2.3 都道府県別「厚生年金」の平均年金月額【全47都道府県】
- 北海道:14万1069円
- 青森県:12万8129円
- 岩手県:13万2943円
- 宮城県:14万4920円
- 秋田県:12万9503円
- 山形県:13万1169円
- 福島県:13万6880円
- 茨城県:15万2963円
- 栃木県:14万9631円
- 群馬県:14万8666円
- 埼玉県:16万1752円
- 千葉県:16万5103円
- 東京都:16万3892円
- 神奈川県:17万457円
- 新潟県:13万8683円
- 富山県:14万4644円
- 石川県:14万1792円
- 福井県:14万787円
- 山梨県:14万4665円
- 長野県:14万4668円
- 岐阜県:14万9910円
- 静岡県:15万1960円
- 愛知県:16万766円
- 三重県:15万1949円
- 滋賀県:15万4456円
- 京都府:15万1483円
- 大阪府:15万6272円
- 兵庫県:15万9086円
- 奈良県:16万2292円
- 和歌山県:14万5933円
- 鳥取県:13万3459円
- 島根県:13万3918円
- 岡山県:14万6429円
- 広島県:15万745円
- 山口県:14万8166円
- 徳島県:13万4131円
- 香川県:14万4026円
- 愛媛県:14万301円
- 高知県:13万2202円
- 福岡県:14万5822円
- 佐賀県:13万4191円
- 長崎県:13万6825円
- 熊本県:13万2740円
- 大分県:13万6507円
- 宮崎県:12万9224円
- 鹿児島県:13万3343円
- 沖縄県:12万8819円
- その他:13万3788円
1位の神奈川県と47位の青森県を比べると、月額で4万円以上の開きがあります。年間に直せば50万円を超える計算で、地域による差は決して小さくありません。
もっとも、厚生年金の受給額が住んでいる場所そのもので決まるわけではありません。この差が生まれる理由は、受給額の計算方法にあります。
2.4 《試算》1位と47位の差は、25年間の受取総額でいくらになる?
月額の差は毎月続くものですから、受給期間をかけ合わせると規模が変わってきます。神奈川県と青森県の平均額で、65歳から90歳までの25年間に受け取る総額を試算してみましょう。あくまで一定の前提を置いた試算であり、実際の受給額を保証するものではありません。
- 神奈川県(月17万457円):17万457円×12カ月×25年=約5114万円
- 青森県(月12万8129円):12万8129円×12カ月×25年=約3844万円
- 両者の差:約1270万円(月4万2328円の差×12カ月×25年)
月額では4万円台の違いでも、25年という単位で積み上げると1200万円を超える差になります。もっともこれは地域ごとの平均値の比較であり、同じ都道府県内でも個人差は大きい点に留意が必要です。年金額の改定は織り込んでいません。
3. 厚生年金の受給額はどう決まる?地域差が生まれる理由
厚生年金の受給額を計算する際に使われるのは、現役時代の報酬(給与や賞与)と年金の加入期間です。この2つで決まる以上、個人差が出るのは避けられません。
報酬比例部分は、次の2つの計算式の合計で求められます。
- A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
この計算式が、都道府県ごとの平均額の差にそのまま反映されます。
都市部は賃金水準が高い傾向にあり、さらに地域によって自営業の比率や共働き世帯の割合も異なります。
現役時代の働き方の違いが積み重なった結果が、地域ごとの平均年金月額の差として表れているということです。
4. 国民年金の平均年金月額は地域差が小さい
国民年金(老齢基礎年金)の受給額を左右するのは、保険料を納めた月数だけです。報酬に連動しないため、厚生年金と比べると個人差も男女差も、そして地域差も小さくなります。
参考として、都道府県別の平均年金月額を見てみましょう。
4.1 都道府県別「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額
- 北海道:5万8435円
- 青森県:5万7137円
- 岩手県:6万720円
- 宮城県:5万9532円
- 秋田県:5万9147円
- 山形県:6万827円
- 福島県:5万9922円
- 茨城県:5万9395円
- 栃木県:5万9544円
- 群馬県:6万564円
- 埼玉県:5万9007円
- 千葉県:5万9354円
- 東京都:5万8313円
- 神奈川県:5万9342円
- 新潟県:6万1957円
- 富山県:6万2989円
- 石川県:6万1923円
- 福井県:6万2290円
- 山梨県:5万9275円
- 長野県:6万2030円
- 岐阜県:6万1248円
- 静岡県:6万1150円
- 愛知県:6万34円
- 三重県:6万1403円
- 滋賀県:6万1172円
- 京都府:5万8206円
- 大阪府:5万7122円
- 兵庫県:5万9138円
- 奈良県:5万8961円
- 和歌山県:5万7784円
- 鳥取県:6万1502円
- 島根県:6万2287円
- 岡山県:6万1564円
- 広島県:6万991円
- 山口県:6万1120円
- 徳島県:5万8797円
- 香川県:6万1718円
- 愛媛県:5万9792円
- 高知県:5万7926円
- 福岡県:5万8300円
- 佐賀県:6万1084円
- 長崎県:5万8617円
- 熊本県:5万9907円
- 大分県:5万8397円
- 宮崎県:5万9234円
- 鹿児島県:5万9659円
- 沖縄県:5万4217円
- その他:3万785円
数字はおおむね5万円台から6万円台に収まっており、全国平均は5万9431円です。厚生年金のような4万円規模の開きは見られません。
ただし、この金額だけで老後の生活費をまかなうのは現実的とはいえないでしょう。
厚生年金と国民年金を合わせて月15万円以上を受け取る人がどれくらいいるのかは、こちらの記事でもくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
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