5. まとまった資産を持つ方に多い「預貯金のまま置いておくのはもったいないが、どう活用していいかわからない」への不安。ファイナンシャルアドバイザー・菅原美優が伝えたいこと
まとまった資産をお持ちの方から、「預貯金のまま置いておくのはもったいないが、どう活用していいかわからない」という声をよくいただきます。長年かけて築いた資産であっても、低金利の環境下ではなかなか増えず、かといってリスクを取るのにも抵抗があるという反応をされる方が少なくありません。
5.1 まとまった資産を持つ方に多いお悩み相談は「定期預金に置いておくのはもったいない。増えた分を毎年受け取って、母には楽しみのために使ってもらいたい」

資産に余裕があっても、年齢や既存の契約状況によっては、思い通りの対策が取れないと悩まれる方が多いようです。
5.2 【ファイナンシャルアドバイザー・菅原美優が回答】契約状況・健康状態・本当の目的を整理して資産管理を見直す
また、資産を活用して収入を増やす際には、社会保険料や医療費への影響も考慮する必要があります。そちらを含めて総合的に見極めることが、後悔のない資産管理の出発点になります。
5.3 ポイント1:既存の保険や資産の全体像を正確に把握する
まず見直したいのは、すでに加入している保険や保有資産の全体像を正確に把握することです。この方も、お母様の資産状況を整理する中で、「保険という面では、すでに十分な保障がある」と気づきました。資産を多くお持ちの方ほど、これまでにさまざまな金融商品や保険に加入しているケースがあり、気づかないうちに保障が十分な状態になっていることも少なくありません。手元の資金が豊富であっても、制度上の枠組みや年齢制限によって新たな選択肢が取れないことがあるという理解は、資産管理を見直すうえで重要な視点になります。
5.4 ポイント2:高齢になってからは健康状態がハードルになる
そのうえで、高齢になってからの資産移転や運用には、健康状態というハードルがある点にも注意が必要です。この方も、手続きを進める中で「健康状態によっては申し込みができない商品もある」と知りました。過去の病歴や現在の健康状態によっては、希望する対策をそのまま実行できない場面が出てきます。資産の活用方法は、資金力さえあれば解決できるものではなく、健康なうちに選択肢を広げておくことが若い頃以上に大切になります。
5.5 《試算》2000万円を10年間、定期預金と年3%運用で比べると
預貯金のまま置いておく場合と、運用に回した場合とで、10年後にどれだけ差がつくのかを試算してみましょう。2000万円を、金利年0.3%の定期預金に預けた場合と、年3%で運用できたと仮定した場合の比較です。あくまで一定の前提を置いた試算であり、実際の運用成果を保証するものではありません。
- 定期預金(年0.3%):2000万円 → 10年後 約2061万円(増加分 約61万円)
- 運用(年3%):2000万円 → 10年後 約2688万円(増加分 約688万円)
- 両者の差:約627万円
同じ2000万円でも、置き場所によって10年で600万円以上の開きが生じる計算です。ただし運用には値動きがあり、元本を下回る可能性もあります。税金や手数料は考慮していません。数字だけで判断せず、次に述べる「何のために使うのか」という目的とあわせて検討することが大切です。
5.6 ポイント3:本来の目的に立ち返って柔軟に手段を選ぶ
また、制約がある中でも、本来の目的に立ち返って柔軟に手段を選ぶ姿勢も欠かせません。この方は、当初の希望通りにはいかない部分もありましたが、最終的には告知のハードルが低い運用商品などを組み合わせ、お母様が楽しみながら使える仕組みづくりへと踏み出しました。資産が多いからこそ、単に数字を増やすことだけを追うのではなく、誰のためにどう使うかという目的を明確にすることが、より豊かな資産活用につながります。
5.7 ポイント4:社会保険料や医療費への影響も含めて見極める
さらに、資産を活用して収入を増やす際には、社会保険料や医療費への影響も考慮する必要があります。この方も、運用によって利益が出た場合、お母様の医療費の自己負担割合が上がってしまうのではないかと心配されていました。しかし、税金の控除などの仕組みを正しく理解することで、過度な不安を払拭することができました。目先の利益だけでなく、支出面も含めた総合的なバランスを見極める視点が求められます。
資産に余裕があるからといって、いつでも自由に対策できると決めつける前に、既存の契約状況・健康状態・本当の目的を一つずつ整理してみることが、後悔のない資産管理の出発点になります。
6. まとめにかえて
本記事では、厚生年金・国民年金の平均年金月額を都道府県別に確認し、地域差が生まれる理由を解説しました。
厚生年金は神奈川県の17万457円から青森県の12万8129円まで4万円以上の幅がありますが、これは地域そのものの差ではなく、現役時代の賃金水準や働き方の違いが反映された結果です。一方の国民年金は納付月数で決まるため、地域差は限定的でした。
平均値はあくまで目安です。ご自身の見込額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認し、不足しそうであれば早めに準備を始めることをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構 年金用語集「は行 報酬比例部分」
- 【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
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菅原 美優
