2026年度も、老齢年金生活者支援給付金の基準額が前年度から引き上げられました。8月から9月にかけては、年金の定期支払いのタイミングにあわせて、ご自身が対象になるかどうかを確認しておきたい時期です。
年金収入が少ない人の生活を支援する制度の一つに「老齢年金生活者支援給付金」があります。
2026年度の給付基準額は月額5620円ですが、住民税が非課税であれば、すべての人が一律に5620円を受け取れるわけではありません。
年齢や受給している年金、世帯の課税状況、前年の所得、国民年金保険料の納付期間などによって、対象になるかどうかや実際の給付額が変わります。
また、住民税非課税世帯になると、医療費や介護費、保険料などの負担が軽くなる場合もあります。
本記事では、老齢年金生活者支援給付金の支給要件や給付額を解説するとともに、住民税非課税世帯が利用できる主な軽減・優遇措置を紹介します。
なお、老齢年金生活者支援給付金の支給要件・給付基準額、および住民税非課税世帯の優遇制度に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
- 老齢年金生活者支援給付金の対象は、65歳以上・世帯全員が市町村民税非課税・前年の年金等収入と所得の合計が基準以下の3条件を満たす人
- 2026年度の給付基準額は月額5620円(前年度比3.2%増)、年間では約6万7000円が目安
- 住民税非課税世帯になると、国保・介護保険料の軽減や高額療養費の負担軽減など5つの優遇を受けられる可能性がある
1. 老齢年金生活者支援給付金、対象になるのは「65歳以上・世帯非課税・所得基準以下」の3条件
年金生活者支援給付金は、公的年金などの収入やその他の所得が一定基準以下の年金受給者に対し、年金へ上乗せして支給される給付金です。
年金生活者支援給付金制度には、次の3種類があります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
老齢年金生活者支援給付金は、主に所得の少ない老齢基礎年金受給者を対象とするもので、受け取った給付金には所得税や復興特別所得税はかかりません。
ただし、「年金が少ない」「本人の住民税が非課税」という理由だけで、必ず対象になるわけではありません。
1.1 支給要件は3つ、なかでも「世帯全員が非課税」がポイント
老齢年金生活者支援給付金の支給要件について、日本年金機構は次のように説明しています。
65歳以上で老齢基礎年金を受給している
同じ世帯の全員が市町村民税非課税である
前年の公的年金などの収入金額とその他の所得の合計額が、昭和31年4月2日以降に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下である
また、この所得基準をわずかに超えている場合にも、次の救済措置があります。
昭和31年4月2日以降生まれの方で80万9000円を超え90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方で80万6700円を超え90万6700円以下の方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます
とくに注意したいのが、「住民税」に関する条件です。
老齢年金生活者支援給付金では、申請者本人だけでなく、同一世帯の全員が市町村民税非課税でなければなりません。
たとえば、本人の年金収入が少なく住民税非課税であっても、同じ世帯に住民税が課税されている配偶者や子どもがいる場合は対象外です。
「本人が非課税」と「住民税非課税世帯」は意味が異なるため、課税通知書などで家族を含めた課税状況を確認しましょう。
1.2 2026年度の給付基準額は月額5620円、前年度比3.2%増
2026年度の年金生活者支援給付金は、前年度から増額されました。
2026年度の給付基準額は、次のとおりです。
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5620円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
前年度と比べて3.2%引き上げられており、基準額どおり受給の場合は2カ月分で約1万1200円、年間では約6万7000円となる見込みです。
なお、老齢年金生活者支援給付金は保険料の納付済期間や免除期間などをもとに算出されるため、受給額は人によって異なります。
1.3 【シミュレーション】障害1級と老齢、基準額どおりなら年間の差はいくら?
同じ年金生活者支援給付金でも、種類によって基準額が異なります。障害年金生活者支援給付金(1級・月額7025円)と老齢年金生活者支援給付金(月額5620円)を、それぞれ基準額どおり1年間受給した場合の差を試算してみましょう。
- 障害1級の年間受給額:7025円×12カ月=8万4300円
- 老齢の年間受給額:5620円×12カ月=6万7440円
- 年間の差額:8万4300円-6万7440円=1万6860円
障害等級1級は日常生活で常時の介護が必要な状態を想定した等級のため、基準額そのものが老齢や2級・遺族よりも高く設定されています。ご自身やご家族がどの給付金の対象になるかによって、年間の受給額に1万円以上の差が生じる点は押さえておきたいポイントです。ただし、実際の受給額は保険料の納付状況等によって個別に変わるため、この試算はあくまで基準額どおりの目安です。





