5. 【老齢年金生活者支援給付金】保険料35年(420月)分の受取額は月4918円
要件を満たしたうえで、老齢の金額を決めるのは納付済月数です。420月なら480月の8分の7にあたります。
ここで取り上げるのは、その納付済期間420月、年数にして35年間のケースです。
5.1 納付420月の月額は4918円、年額は5万9016円
- 保険料納付済期間:420月(35年)
- 月額:4918円
- 年額:5万9016円
- 満額(480月)の月5620円との差:月702円
- 20年間受け取った場合の累計:118万320円
※計算式は5620円×納付済月数÷480で、円未満は四捨五入しました。免除を受けた期間については別枠で加算されるため、この金額には含まれていません。このケースでは5620円×420÷480=4918円という計算になります。
420月を納めた方の受取額は月4918円で、満額との差は月702円です。5000円の手前まで来ています。
20年間受け取り続けた場合の累計は118万320円になります。納付420月に対応する老齢基礎年金はおよそ74万1384円で、所得基準80万9000円の範囲に収まります。ただし老齢では、これに加えて65歳以上であることと、同一世帯の全員が市町村民税非課税であることも要件になります。
5.2 432月にすると月5058円。5000円台に入る
納付済期間を12月増やすと、給付金は月140円増えて5058円になります。年額では6万696円、20年間の累計では121万3920円です。
420月から432月へ伸ばす手立ては、60歳以降に国民年金へ任意加入すること、そして納付猶予や学生納付特例を受けた期間を追納することです。任意加入は60歳から65歳までの間に使えます(受給資格期間を満たしていない場合は70歳まで)。追納できるのは承認された月の前10年以内の猶予・特例期間で、未納だった月については納付期限から2年以内が期限です。
なお、全額免除や4分の3免除、半額免除を受けた期間は、給付金では納付済期間よりも高い単価で計算されています。この期間を追納すると納付済期間へ移るため、老齢基礎年金は増えても給付金のほうは逆に下がることがあります。追納を検討する際は、この点も含めて確かめておく必要があります。
2026年度の国民年金保険料は月1万7920円ですので、12月分でおよそ21万5000円です。これに対して、給付金の増加は年1680円という水準です。この給付金の伸びだけで支払った分を埋め合わせるとなると、時間はかかります。ただ老齢基礎年金の増額が年2万1182円ほどありますから、合わせて見れば10年ほどで支払いに見合う計算になります。
満額までは残り60月分です。納付記録の確認から始めるのが近道です。ねんきんネットなら加入履歴を月単位で追えるので、抜けている期間も見つけやすくなります。
6. 年金生活者支援給付金で世帯を見られるのは老齢だけ。障害と遺族は本人の所得
年金生活者支援給付金の判定範囲は、種類によって違います。老齢は65歳以上であることと同一世帯全員の市町村民税非課税、そして前年の年金収入等80万9000円以下という3点。世帯単位で見られるのは老齢だけです。
障害と遺族は世帯の課税状況を問われず、前年の所得479万4000円以下という本人の状況で判定されます。この基準は扶養親族等の数に応じて上がります。
2026年度の月額は老齢の基準額5620円、障害1級7025円・2級5620円、遺族5620円で、前年度から+3.2%の改定となりました。世帯の状況が変わったときは対象になるかが動きますので、年金事務所で確かめてみてください。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎える方で、老齢基礎年金を新規に請求する方」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
安達 さやか