5. 年金生活者支援給付金は世帯の状況で受け取れる人・受け取れない人が分かれる

老齢年金生活者支援給付金には、本人の年金収入や所得の要件のほかに「同一世帯の全員が市町村民税非課税であること」という要件があります。この世帯の要件があるため、本人の年金額が同じでも、誰と住んでいるかで結果が変わります。

ここでは保険料を420月納めた方(給付金は月額4918円)を基準に、世帯の状況別に整理します。

5.1 【世帯構成別】年金生活者支援給付金の受給可否と金額

  • 単身:月額4918円/年額5万9016円
  • 夫婦2人とも受給(420月+360月):世帯で月額9133円/年額10万9596円
  • 夫婦のうち夫だけ65歳以上:月額4918円(妻は65歳になるまで対象外)
  • 課税所得のある子と同居:0円(世帯全員が非課税という要件を満たさない)
  • 世帯を分けている場合:それぞれの世帯で判定される

年金生活者支援給付金は世帯単位ではなく1人ずつ支給されるため、夫婦2人とも要件を満たせば2人分を受け取れます。夫が420月、妻が360月納めていた場合、世帯の受取額は年間10万9596円になります。

一方、同居している子に課税所得があると、本人がどれだけ要件を満たしていても給付金は支給されません。世帯全員が市町村民税非課税であることが条件だからです。子と同居を始めたことをきっかけに給付金が止まるのは、この仕組みによるものです。

ここでいう世帯は、住民票上の世帯を指します。同じ家に住んでいても住民票の世帯が別であればそれぞれ判定され、同じ世帯であれば全員の課税状況が確認されます。同居している家族に収入があるかどうかは、本人の給付金の可否に直接かかわります。

5.2 世帯分離は手続きすれば必ず通るものではない

住民票の世帯を分けると判定の対象となる世帯が変わるため、給付金の可否に影響することはあります。ただし世帯分離は住民基本台帳上の届出であり、生計を別にしている実態が求められます。給付金を受けることを目的として形式的に分けるものではありません。

判断は各市区町村が行うため、自分の場合はどうかを窓口で確認するのが確実です。

なお、市町村民税が非課税かどうかは、毎年6月頃に届く税額決定通知書や、市区町村が発行する課税・非課税証明書で確認できます。世帯の誰か1人でも課税されていれば要件を満たさないため、同居している家族の状況もあわせて把握しておきたいところです。

6. まとめにかえて

本記事では、老齢・障害・遺族の3種類それぞれの支給要件と2026年度の給付基準額、そして請求手続きの流れを紹介しました。

2026年度は+3.2%の増額改定となり、老齢の給付基準額は月額5620円、障害は1級7025円・2級5620円、遺族は5620円です。老齢だけは基準額という扱いで、保険料の納付済期間などに応じて一人ひとり計算されます。

また、老齢は「同一世帯の全員が市町村民税非課税」という要件があるため、同居している家族の課税状況も結果に関わります。要件を満たしていても請求手続きをしなければ受け取れないため、書類が届いていないか確認しておきましょう。

参考資料

中本 智恵