50歳の誕生日を迎えるタイミングは人それぞれですが、8月から9月にかけては、夏のボーナスの使い道とあわせて、老後に向けた資産形成の計画を見直す方が増える時期でもあります。

神田 翔平
「50歳からでは遅いのでは」というお悩みは、年代を問わずよくあります。65歳までまだ15年あるという事実を、具体的な数字に置き換えて確認していきましょう。

50歳を迎えると、老後までの時間を意識し、「今から資産形成を始めても間に合うのだろうか」と考える人もいるでしょう。

50歳から資産形成を始める場合、同じ金額を準備するとしても、投資で運用するのか、定期預金で貯めるのかによって、将来の資産額には違いが生じます。

また、投資では想定する運用利回りによっても結果が変わるため、「何年間、どの程度の利回りで運用するか」を具体的に考えることが重要です。

本記事では、50歳から65歳まで毎月5万円を積み立てるケースをもとに、運用利回りによる資産額の違いや定期預金との比較、NISAの非課税メリットについて詳しく見ていきます。

ココがポイント
  • 50歳から毎月5万円を15年間、年率4%で積み立てると、元本900万円が1223万円になる試算
  • 想定利回りが年率2%と6%では、15年後の資産総額に388万円もの差が生じる
  • NISA口座なら運用益323万円がまるごと非課税に。課税口座なら約66万円が税金として引かれる計算

1. 50歳から毎月5万円を15年間積み立てるといくらになる?

具体的な金額で考えるため、50歳から積立投資を始めるケースを見てみましょう。

50歳の人が65歳で仕事を引退するまでの15年間、NISAを使って毎月5万円を積み立て、年率4%で運用できたと仮定します。

  • 積立元本:5万円×12カ月×15年間=900万円
  • 15年後の資産総額:1223万円
  • 運用によって生まれた利益:1223万円-900万円=323万円

15年間積み立てを続けることで、元本900万円に対して、運用による利益が323万円生まれる計算です。

ただし、この金額は一定の利回りで運用できたと仮定したシミュレーションにすぎません。

投資には元本割れの可能性があるため、必ずこの金額まで増えるわけではありません。

一方、長期にわたって投資先を分散しながら積み立てを続けることで、リスクを抑えながらリターンを目指す効果が期待できます。

1.1 【シミュレーション】毎月3万円に抑えたら、15年後の資産はどう変わる?

「毎月5万円は家計的に厳しい」という方もいるでしょう。同じ年率4%のまま、積立額を毎月3万円に抑えた場合を試算してみましょう。積立額が5万円の0.6倍になるため、元本・資産総額ともに0.6倍として計算した目安です。

  • 積立元本:3万円×12カ月×15年間=540万円
  • 15年後の資産総額(目安):1223万円×0.6=約733万8000円
  • 運用によって生まれた利益(目安):733万8000円-540万円=約193万8000円

毎月の積立額を5万円から3万円に減らすと、15年後の運用益は323万円から約194万円に縮小する計算です。金額を無理に大きくするよりも、続けられる金額で長く積み立てることのほうが重要になるケースも少なくありません。ご自身の家計に合わせて、無理のない金額から検討するとよいでしょう。

神田 翔平
金額を大きくするほど早く目標に近づける一方で、家計を圧迫してしまえば途中で積立を止めてしまうリスクも高まります。まずは無理なく続けられる金額を見極めることが、結果的に一番の近道になることが多いものです。

2. 年率2%・4%・6%でどこまで変わる?50歳から15年間の積立結果を比較

同じ金額を同じ期間積み立てても、想定する利回りによって15年後の資産額は大きく変わります。

金融庁の「つみたてシミュレーター」を使い、50歳から65歳まで毎月5万円を15年間積み立てた場合について、年率2%・4%・6%の3パターンを比較してみましょう。

積立元本はいずれも「5万円×12カ月×15年間=900万円」です。

  • 年率2%:資産総額1047万円、運用収益147万円
  • 年率4%:資産総額1223万円、運用収益323万円
  • 年率6%:資産総額1435万円、運用収益535万円

年率2%と6%では、15年後の資産総額に388万円もの差が生じる計算です。

一方で、想定利回りが高いほど実際の運用でもその結果が得られるとは限りません。

投資には価格変動があり、元本割れする可能性もあるため、シミュレーション結果はあくまで一定の利回りで運用できた場合の目安として捉える必要があります。

では、運用による値動きを避け、同じ900万円を定期預金で準備した場合、15年間で資産はどの程度増えるのでしょうか。

神田 翔平
利回りの数字だけを見ると「高いほうがいい」と思いがちですが、想定利回りが高い商品ほど、値動きの幅(リスク)も大きくなる傾向があります。目標金額だけでなく、値下がりしたときにどこまで耐えられるかも、あわせて考えておきたいポイントです。