7. 《60歳代》二人以上世帯の貯蓄額

  • 金融資産非保有:12.8%
  • 100万円未満:4.7%
  • 100~200万円未満:3.9%
  • 200~300万円未満:3.0%
  • 300~400万円未満:2.8%
  • 400~500万円未満:1.8%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:6.3%
  • 1000~1500万円未満:8.9%
  • 1500~2000万円未満:8.0%
  • 2000~3000万円未満:12.4%
  • 3000万円以上:27.2%
  • 無回答:2.0%
  • 平均:2683万円
  • 中央値:1400万円

60歳代・二人以上世帯の貯蓄額は、平均が2683万円、中央値が1400万円です。

60歳代になると平均・中央値ともに大幅に増加しており、退職金や相続財産の影響によって資産が増える世帯が多いことが読み取れます。

また、退職後の生活が始まる60歳代においても金融資産非保有の世帯は全体の1割を超えており、資産が十分でない世帯も一定数残っています。

8. 《70歳代》二人以上世帯の貯蓄額

  • 金融資産非保有:10.9%
  • 100万円未満:4.5%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:3.7%
  • 300~400万円未満:3.9%
  • 400~500万円未満:2.9%
  • 500~700万円未満:6.4%
  • 700~1000万円未満:6.7%
  • 1000~1500万円未満:11.1%
  • 1500~2000万円未満:6.7%
  • 2000~3000万円未満:12.3%
  • 3000万円以上:25.2%
  • 無回答:0.6%
  • 平均:2416万円
  • 中央値:1178万円

70歳代・二人以上世帯の貯蓄額は、平均が2416万円、中央値が1178万円です。

60歳代と比較して平均・中央値がともに減少しているのは、年金生活の赤字を貯蓄の切り崩しによって補填しているためであると考えられます。

金融資産非保有の世帯も1割程度存在しますが、1000万円以上の資産を持つ世帯は全体の55%以上にのぼり、まとまった貯蓄を保有する世帯が多くなっています。

9. お金が貯まる人に共通する3つの習慣

ここまで20歳代〜70歳代までの貯蓄額を見てきましたが、どの年代においても貯蓄額の世帯格差が非常に大きいことが分かりました。

では、お金が貯まる人と貯まらない人の差はどこにあるのでしょうか。

本章では、お金が貯まる人に共通する3つの習慣を紹介します。

9.1 支出の状況を具体的に把握している

家計簿などを通して支出の状況を具体的に把握することで、無駄な支出を削ったり、固定費を見直したりする意識を持てます。

毎月の生活費の内訳を確認していないと「何にどれだけお金がかかっているか」が分からず、いざ家計を見直そうと思っても、削れる部分を洗い出すことができません。

最近では、クレジットカードの明細から自動で家計簿をつけられるアプリなど、便利なツールも増えています。

自分にあった方法で支出の状況を具体的に把握しておくと、「外食が増えすぎているから回数を減らそう」「通信費の負担が大きいからプランを見直そう」といった気付きにもつながるでしょう。

9.2 先取り貯金を仕組み化している

お金が貯まる人は、毎月の貯蓄分を先取りして確保する仕組みを取り入れています。

毎月の給与から余った分を貯蓄に回そうと考える人は多いですが、月によっては十分な貯蓄額を確保できなかったり、「まだ口座にお金が残っているから使っても大丈夫」と無駄遣いをしてしまったりする可能性もあるでしょう。

「自動積立定期預金」や「NISAのつみたて投資枠」などを活用すれば、毎月定額を先取りして貯蓄できます。

9.3 「使うお金」と「節約するお金」のメリハリを持たせている

貯蓄のために無駄な支出を減らす意識は大切ですが、我慢が多すぎると継続が難しくなるでしょう。

趣味や旅行など「お金の使いどころ」が決まっていると気持ちが満たされるため、日々の浪費を防ぐことにもつながります。

「使うお金」と「節約するお金」を分けて考え、メリハリを持たせた家計管理を意識しましょう。

池田夕華
この3つのなかで、特に効果が出やすいと感じるのは「先取り貯金の仕組み化」です。自動積立定期預金や勤務先の財形貯蓄は、意思の強さに頼らず口座から先に差し引かれるため、家計簿を続けるのが苦手な方でも成果が出やすいからです。まとまった資産をお持ちの方に共通する行動については、資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴でも整理されていますので、あわせてご覧ください。

10. 金融機関出身者のワンポイントアドバイス:貯蓄の捉え方は年代によって変わる

本記事で紹介した貯蓄額のデータを見ると、20歳代〜60歳代までは平均・中央値ともに増加し続けるのに対し、70歳代からは生活費の不足分として貯蓄を切り崩すため、平均・中央値が減少しています。

つまり、60歳までの貯蓄は住宅ローンや教育費の支出に対応しながらも「貯める」ことが中心である一方、退職後の貯蓄は「消費する」方向へとシフトするのです。

60歳時点で退職後の取り崩しに耐えられるだけの貯蓄を貯めるには、年金見込額や老後の生活費、退職金の有無や金額などを明確にしたうえで、老後生活でどれだけの赤字額が出るのかを想定しておく必要があります。

貯蓄額の平均や中央値はご自身の立ち位置を捉えるための参考にとどめ、実際に備えが十分であるかどうかを判断する際は、退職時までに貯蓄しておきたい金額をベースとして考えましょう。

池田夕華

「いくら貯めれば安心ですか」というご質問には、決まった正解がありません。必要額は、年金見込額・退職金の有無・住まいが持ち家か賃貸か・健康状態によって、同じ年代でも大きく変わるからです。まずは「ねんきん定期便」で公的年金の見込額を、勤務先の制度で退職金のおおよその水準を確認するところから始めてみてください。

そのうえで、老後の生活費から公的年金を差し引いた「毎月の不足額」を出し、それが何年続くかを掛け合わせると、60歳・65歳時点で用意しておきたい金額の目安が見えてきます。この計算をしておくと、平均2059万円という数字に一喜一憂せずに済むようになります。

11. まとめにかえて

二人以上世帯の平均貯蓄額は2059万円と大きな数字ですが、実際には全体の66.1%がその水準を下回っており、年代別の中央値を見ると20歳代125万円、50歳代700万円という実像が浮かび上がります。

また、貯蓄のピークは60歳代の1400万円で、70歳代は1178万円へと減少に転じます。

どの年代にも金融資産非保有の世帯が1割以上存在する一方で、3000万円以上を保有する世帯も一定割合を占めており、同世代のなかでも差は小さくありません。

平均や中央値は、あくまで自分の立ち位置を測るための目安です。まずは支出を把握し、先取り貯金を仕組み化するところから、ご自身のペースで一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

参考資料

池田 夕華