2. 障害年金とは?2つの種類と2026年度の年間支給額をみる
障害年金には、自営業者などが対象となる「障害基礎年金」と、会社員や公務員などが対象となる「障害厚生年金」の2種類が存在します。受給できる年金額は、障害の程度(1級から3級)や年齢、初診日に加入していた年金制度によって異なり、令和8年度の年間支給額は以下のように定められています。
■1級の支給額
- 障害基礎年金(1階部分):105万9125円(※昭和31年4月1日以前に生まれた方は105万6125円)
- 障害厚生年金(2階部分):報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額
■2級の支給額
- 障害基礎年金(1階部分):84万7300円(※昭和31年4月1日以前に生まれた方は84万4900円)
- 障害厚生年金(2階部分):報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額
■3級の支給額
- 障害基礎年金(1階部分):支給なし
- 障害厚生年金(2階部分):報酬比例の年金額(※最低保障額は63万5500円、昭和31年4月1日以前に生まれた方は63万3700円)
障害厚生年金の1級または2級に該当する方は、1階部分にあたる「障害基礎年金」もあわせて受給することができます。ただし、障害基礎年金には3級の制度がないため、障害等級が3級となった場合は障害厚生年金のみを受給することになります。
また、障害厚生年金の3級よりもさらに軽い障害が残った場合には、毎月支払われる年金ではなく、1回限りの一括支給で終了する「障害手当金(一時金)」という制度が用意されています。この障害手当金として受け取れる額は、報酬比例の年金額の2倍となり、最低保障額として127万1000円(昭和31年4月1日以前に生まれた方は126万7400円)が国から一括で支給されます。
3. 初診日がわからない?障害年金に関する3つの疑問
ここからは障害年金のよくある疑問についてみていきましょう。
3.1 ①初診日を証明する書類を準備できないときはどうすればよい?
障害年金の請求には初診日の証明が必須ですが、病院の廃院やカルテの破棄により証明書が得られないケースがあります。しかし、診察券やお薬手帳など、初診日を合理的に推定できる一定の書類があれば、申し立てた日が認められる場合があります。まずは諦めずに、お近くの年金事務所へ相談してみるのが確実です。
3.2 ②障害認定日から複数年が経過!障害年金の請求はできる?
障害認定日から何年も経過している場合でも、当時の診断書と現在の診断書の2種類を用意すれば請求自体は可能です。ただし、公的年金には5年という時効が設けられている点には注意が必要です 。仮に過去に遡って受給権が認められた場合でも、実際に支給されるのは請求時点から過去5年分となります。大切な給付をしっかりと受け取るためにも、該当する可能性がある方は、一度お早めに専門窓口へ相談してみるのが安心です。
3.3 ③受給中に病状が悪化したら?障害等級を変更することはできる?
現在、3級の障害厚生年金などを受給している方が、病状の悪化により上位の等級に該当するようになった場合は、年金額の改定請求ができます。この請求書は原則として65歳になる前(誕生日の前々日まで)に提出する必要があります。ただし、過去に一度でも障害基礎年金の受給権を有した(2級以上に該当した)ことがある方なら、65歳を過ぎた後でも改定請求が可能です。
4. まとめにかえて
障害年金は身体障害者だけでなく、うつ病や統合失調症などの精神疾患を抱える人も保障対象となる公的制度です。
制度の仕組みと支給額について正しく把握したうえで、主治医とも相談しながら受給手続きを進めることが大切です。
「まさか自分が」と思っていても、突然の病気やケガで障害状態に陥ってしまうリスクは誰にでも存在します。
公的制度はもちろん、民間の医療保険等での備えも検討しておきましょう
参考資料
- 政府広報オンライン「障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患のかたも対象です」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「障害年金ガイド 令和8年度版」
- 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」
橋本 優理

