75歳以上の高齢者を対象とした「後期高齢者医療制度」では、医療費の窓口負担割合が所得に応じて「3割・2割・1割」の3つの区分に分けられます。
該当区分は毎年8月を基準に再判定され、7月中に8月1日からの負担割合を通知する書類が届きます。
前年の収入の変化を受けて、「この8月から窓口負担割合が変わる」という人もいるでしょう。
今回は、後期高齢者医療制度の概要や各負担区分に該当する人の要件のほか、年金収入のみで2割負担に該当する金額目安についても解説します。
なお、後期高齢者医療制度の負担割合の判定基準や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 後期高齢者医療制度の窓口負担割合は「3割・2割・1割」の3区分
- 2割負担の基準は、年金収入とその他所得の合計が単身で200万円以上、複数世帯で320万円以上
- 2026年8月からは高額療養費制度の自己負担限度額も見直される
1. ワンポイントアドバイス:医療費は「窓口負担割合」と「自己負担限度額」から考える
「75歳以上の医療費は1割負担」というイメージを持つ人も多いですが、所得が一定以上ある人は3割や2割といった負担区分に該当する可能性もあります。
高齢になると医療機関を利用する頻度も増えやすいため、窓口負担割合が大きくなれば、家計への影響も気になるところです。
しかし、実際に医療費がかさんだ場合は「高額療養費制度」を利用できるため、1か月の自己負担額は年齢や所得に応じて定められた上限額までに抑えることが可能です。
70歳以上かつ年収約370万円までの高齢者については、外来のみの上限額も定められています。
ただし、2026年8月からは所得区分・外来負担が段階的に見直され、一部負担が大きくなる人もいるため注意が必要です。
たとえば、75歳以上で年金収入約250万円・窓口負担割合が「2割」となる単身者は、これまで月5万7600円であった自己負担限度額が、2026年8月からは月6万1500円となります。
大切なのは「医療費の窓口負担割合が何割になるか」を把握したうえで、高額療養費制度の仕組みと変化についても正しく理解し、「1か月・1年間で最終的にいくらまで負担する必要があるのか」を明確にすることです。
民間の医療保険に加入している場合は、通院や入院で受け取れる保険金やその条件も改めて確認しておくとよいでしょう。
まずはこの記事を通して、ご自身の窓口負担割合を確認してみてください。
2. 【75歳以上】後期高齢者医療制度とは
「後期高齢者医療制度」とは、主に75歳以上の高齢者を対象とする公的医療制度です。
75歳の誕生日を迎えると、それまで加入していた公的医療制度の種類や就労の有無にかかわらず、自動的に後期高齢者医療制度へと移行します。
この制度は、65〜74歳までの一定の障害がある人も対象となります。
医療費の窓口負担割合は、「3割・2割・1割」の3区分です。
- 3割負担:現役並み所得者
- 2割負担:一定以上の所得者
- 1割負担:一般所得者
3. 後期高齢者医療制度で「2割負担」になるのはどんな人?
従来まで、後期高齢者医療制度における医療費の窓口負担割合は、「3割・1割」の2つの区分に分けられていました。
「2割負担」は2022年10月1日から新設された区分であり、現役世代の負担軽減と、安心して医療を受けられる社会の維持を目的としています。
3.1 「2割負担」になる人の要件
医療費が「2割負担」になるのは、一定以上の所得者です。より詳しい判定基準は、下記の記事でも解説しています。
具体的な判定基準については、「【75歳からの医療費】いちばん重い「3割負担」になる年収はいくら?老後の家計を左右する判定基準をズバリ解説 要注意!医療費は「夫婦で半分ずつ」にはならない──窓口負担《1・2・3割》の早見表&資金計画のヒント」から要点を引用して確認してみます。
①同じ世帯の被保険者の中に課税所得が28万円以上の方がいる。②同じ世帯の被保険者の「年金収入」+「その他の合計所得金額」の合計額が以下に該当する。・1人の場合は200万円以上 ・2人以上の場合は合計320万円以上
整理すると、同一世帯の後期高齢者医療制度の被保険者の中に課税所得28万円以上145万円未満の人がいて、かつ「年金収入+その他の所得」の合計額が被保険者1人で200万円以上、2人以上で320万円以上の場合に、2割負担が適用されます。
3.2 「3割負担」「1割負担」になる人の要件
医療費が「3割負担」「1割負担」になるのは、それぞれ以下の条件に当てはまる人です。
3割負担:現役並み所得者
3割負担の判定基準についても、同じ記事から引用して確認しておきます。
同じ世帯の被保険者の中に課税所得が145万円以上の方がいる場合、世帯内に被保険者が1人の場合は被保険者の収入金額の合計が383万円以上
被保険者が2人以上の世帯では、収入金額の合計が520万円以上の場合に3割負担となります。
1割負担:一般所得者
3割・2割のどちらにも該当しない人は、1割負担となります。






