公務員の給料は役職が上がるとどれくらい変わるのか、気になったことのある方は多いのではないでしょうか。

総務省の「地方公務員給与実態調査」には、一般行政職を職務上の地位別に分けて平均給料月額を出した表があります。役職別の区分がそろっているのは令和5年(2023年4月1日現在)の調査です。

この記事では、都道府県・指定都市・市・町村・特別区の5つの団体区分ごとに、部長級から係員までの平均給料月額を確認します。

1. 地方公務員の職務上の地位別の平均給料月額は25の区分に分かれる

まず、この表がどのように分かれているかを見ていきましょう。

1.1 団体区分は5つ、職務上の地位の区分の数は団体によって違う

団体区分は、都道府県・指定都市・市・町村・特別区の5つです。

職務上の地位の区分の数は、この5つで同じではありません。都道府県・市・特別区は部(局)長級から始まる5区分、指定都市は局長級と部長級に分かれる6区分、町村は課長級から始まる4区分です。

合わせると25の区分があることになります。

1.2 「給料月額」は諸手当を含まない本給を指す

この調査でいう給料月額は、いわゆる本給です。

地域手当や管理職手当、扶養手当、住居手当といった諸手当は含まれません。実際に受け取る額とは違う点に注意が必要です。

一般行政職の職務上の地位別 平均給料月額(団体区分別)1/2

都道府県から特別区まで5つの団体区分について、局長級から係員までの平均給料月額を並べた表

出所:総務省「令和5年地方公務員給与実態調査 第2表の4」を参考にLIMO編集部作成

25区分の平均給料月額は次のとおりです。

【都道府県】

  • 部(局)長級:47万4533円
  • 課長級:42万140円
  • 課長補佐級:38万9828円
  • 係長級:34万1653円
  • その他職員:24万4981円

【指定都市】

  • 局長級:52万2184円
  • 部長級:47万6343円
  • 課長級:43万3702円
  • 課長補佐級:39万5312円
  • 係長級:36万1728円
  • その他職員:27万4781円

【市】

  • 部(局)長級:44万500円
  • 課長級:40万9406円
  • 課長補佐級:38万2449円
  • 係長級:34万3983円
  • その他職員:25万3931円

【町村】

  • 課長級:39万9700円
  • 課長補佐級:37万2940円
  • 係長級:32万5928円
  • その他職員:23万5825円

【特別区】

  • 部(局)長級:47万8972円
  • 課長級:43万2191円
  • 課長補佐級:40万866円
  • 係長級:36万9306円
  • その他職員:26万42円

2. 地方公務員の給料月額が「いちばん高い区分」と「いちばん低い区分」の差

25区分を並べると、上と下がはっきりします。

2.1 最高は指定都市の局長級、最低は町村のその他職員

いちばん高いのは指定都市の局長級で52万2184円です。指定都市にだけ置かれている区分で、職員数は648人でした。

いちばん低いのは町村のその他職員で23万5825円です。この2つの差は28万6359円になります。

2.2 同じ役職名でも団体区分で開きがある

同じ役職名どうしで比べると、差はもっと小さくなります。

部(局)長級では、特別区の47万8972円がいちばん高く、市の44万500円がいちばん低い額です。差は3万8472円でした。

課長級では、特別区の43万2191円と町村の39万9700円で、差は3万2491円です。

3. 地方公務員の給料月額に差が生まれる理由は職員構成にもある

なぜこうした差が出るのかを、調査の数字から確認しておきましょう。

3.1 町村には部長級の区分が置かれていない

町村の表には、部(局)長級にあたる区分がありません。

組織の規模が小さく、課長級が実質的な管理職の上位にあたるためです。町村のいちばん上の区分は課長級の39万9700円になります。

3.2 給料月額には地域手当が含まれないため、地域差は表に出にくい

先に触れたとおり、給料月額には諸手当が含まれません。

地域手当は勤務地によって支給割合が違うので、手当を含めた給与月額で比べると、この表とは違う並びになります。表を読むときは、本給どうしの比較であることを押さえておくと誤解を避けられます。

太田 彩子

筆者も地方公務員として働いていましたが、組織の役職の並びは都道府県や市とは違っていました。この表の区分の数の違いは、そうした組織の規模の差がそのまま表れた部分です。給料月額は本給だけの数字なので、手当を含めた額とは別のものとして見ていきたいところです。