橋本 優理
これまで約300組のご家庭のライフプランニングに携わってくる中で、「まさか自分が病気で働けなくなるなんて」という声に何度も耳を傾けてきました。日々の生活の中で、もし病気やケガによって今まで通りの暮らしを送るのが難しくなってしまったら、これからの生活費や家族の支えをどうすればよいのでしょうか。

私たちの暮らしを経済的に支えてくれる心強い公的制度が「障害年金」です。2026年(令和8年)度の年金額改定においても、重要なセーフティネットとしての役割が確認されています。

今回は日本年金機構の最新データをもとに、2026年度の年間支給額や、対象となる疾患、よくある疑問について分かりやすく解説します。

ココがポイント
  • 2026年度の障害年金の等級別(1級〜3級)年間支給額の目安
  • うつ病やがんなど、障害年金の対象となる幅広い疾患のデータ
  • 初診日が不明な場合や、過去に遡った申請に関する3つの疑問と回答

1. 障害年金、新たな受給者の支給件数13万件「約67%」を占める障がいとは?

障害年金は、特定の病名だけで支給が決まるわけではなく、その病気やケガによってどれだけ生活や労働に支障が出ているかで判断されます。障害者手帳を持っていなくても申請可能であり、身体的な障がいだけでなく、精神疾患や目に見えない内部疾患を含めた幅広い病気が対象です。

  • 精神・知的障害:統合失調症、うつ病、認知障害、発達障害など
  • 外部障害:手足の不自由、眼・耳の障害など
  • 内部障害:がん、糖尿病、心疾患、呼吸器疾患、腎疾患、血液疾患など

1.1 新規裁定者「精神障害が最多」全体の67%

日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」をもとに、支給された中で「どの障がいが多かったのか」診断書種類別の支給件数を確認します。

支給決定の件数で最も割合が高かったのは「精神・知的障害」でした。

  • 新規裁定(新たに受給)約13万件:全体の67.0%(約8.7万件)
  • 再認定(更新)約30.6万件:全体の79.1%(約24万件)

精神・知的障害分野で新規裁定・再認定ともに多くの支給決定が行われています。障害年金は、障がいのある方の生活を経済的に支える重要な社会保障制度であり、今後も適切な判定と制度運用の充実が期待されます。