9. まとめにかえて:長寿時代の家計とどう向き合うべきか

ここまで見てきたように、後期高齢シニア夫婦の家計は「毎月約2.7万円の赤字」を出して貯蓄を取り崩しながら暮らしを維持している実態があり、決して余裕があるとは言えません。

さらに、医療費などの負担が加わることで、将来の家計への不安はより強まりやすくなります。

しかし、今回確認した高額療養費制度のように、負担を一定範囲に抑えるための公的な仕組みも整えられています。こうした制度の上限を正しく理解しておくことで、「予想外の大きな出費」への過度な恐怖を和らげていけると良いですね。

一方で、資産構成を見ると預貯金の割合が高く、安全性を重視した内容となっていますが、物価上昇が続く環境では資産の実質的な価値が徐々に低下していくリスクもあります。

そのため大切なのは、「いま手元にいくらあるか」だけではなく、「その資産でどれだけ長く生活を支えられるか」という資産寿命の視点を持つことです。

長期化する老後に備えるためには、使える公的制度はしっかりと活用し、総合的な家計設計を行うこと。それが、これからの老後生活における最大の防衛策となるでしょう。

参考資料

マネー編集部社会保障班