5. 【年収500万円から始める資金計画④】金融機関が評価する顧客の「属性」は、どこを見ている?
中古マンション投資の大きな魅力の一つは、会社員や公務員の方が、安定した職業を武器に資産形成できる点にあります。金融機関から融資を受ける上で、その人が持つ「信用力」は、現金資産と同じくらい、あるいはそれ以上に重要になるからです。
この「信用力」を、金融機関は「属性」という言葉で評価します。属性とは、年齢、職業、勤務先、勤続年数、そして年収といった、個人の返済能力を判断するための総合的な指標です。
そして、この属性さえクリアすれば、年収500万円の方でも、数千万円の融資を受けてオーナーになることが可能なのです。
5.1 金融機関が重視するポイント
具体的な融資の目安としては、以下の3点を覚えておくとよいでしょう。
- 年収500万円以上
- 勤続年数3年以上(ただし、近年は緩和傾向にある)
- 年齢25歳以上
これらが、多くの金融機関が設定している最低ラインです。もちろん、これはあくまで目安であり、勤務先の規模や安定性によって、条件は変わってきます。
金融機関が何よりも重視するのは、年収の絶対額よりも、「収入の安定性」です。その点において、毎月決まった給料が支払われる会社員や公務員は、収入が不安定になりがちな個人事業主や経営者に比べて、極めて高い評価を受けられるのです。
しかし近年、この状況にも変化が見られるようになりました。
これまで個人事業主や会社経営者に対する融資には消極的だった金融機関の中にも、働き方の多様化を背景として、受け入れるところが出てきたのです。
物件価格の2~3割程度の自己資金を用意するなどの条件は付きますが、会社員以外の方にも、不動産投資のチャンスが確実に広がってきています。
6. 【年収500万円から始める資金計画⑤】勤続年数より「会社の安定性」が重視されるのはなぜか?
かつて、金融機関のローン審査において、「勤続年数」は極めて重要な指標でした。終身雇用が当たり前だった時代、一つの会社に長く勤めていることは、そのまま収入の安定性と社会的信用の証と見なされていたからです。
しかし、時代は大きく変わりました。転職がキャリアアップのための当然の選択肢となり、一つの会社で定年まで勤め上げるという価値観は、もはや過去のものとなりつつあります。こうした社会の変化に伴い、金融機関の審査基準も、より柔軟なものへと変化しています。
現在、多くの金融機関では、勤続年数が3年以上あれば、審査のテーブルに乗ることができます。さらに、より良い条件を求めて転職する、いわゆる「ステップアップ転職」の場合、勤続年数が1年未満、場合によっては半年程度であっても、融資が承認されるケースが増えてきています。
では、金融機関は勤続年数の代わりに、何を重視しているのかと言えば、答えは「勤務先の安定性」です。
具体的には、勤務先が上場企業であるか、資本金はいくらか、従業員数は何人か、業績は安定しているか、といった点が厳しくチェックされます。
個人の勤続年数が短くても、その人が将来にわたって安定した収入を得られる可能性が高い「優良企業」に勤めているのであれば、金融機関は喜んで融資を行います。実際、大手商社の新卒2年目の社員の方が、2回目の源泉徴収票が出たタイミングでローンを組めたという稀なケースもあります。
これは、不動産投資を考える上で、非常に重要な示唆を与えてくれます。それは、「信用力の高いうちに、行動を起こすべきだ」ということです。
6.1 企業の「看板」を使って始める
例えば、あなたが現在、誰もが知る大企業に勤めているとします。その大企業の「看板」は、低金利で多額の融資を引き出すことができる、非常に強力な武器となります。
もし将来、独立したり、スタートアップ企業に転職したりすることを考えているのであれば、その信用力が最大限に活かせる「今」、不動産投資を始めておくべきなのです。
実際に、私の会社の社員にも、前職のサラリーマン時代にマンションを購入しておいたおかげで、その後の独立・転職という人生の転機を、家賃収入に支えられて乗り越えた者がいます(この社員のマンション投資歴は第7章で紹介します)。
会社員の勤務先は、本人が思っている以上に、金融市場において価値のある「ブランド」です。そのブランド力を最大限に活用できるタイミングを逃さず、将来のための資産を築いておく。それもまた、賢明なライフプランニングの一つと言えるでしょう。
