2. 住宅ローン金利は上昇、「返済負担」

住宅価格の高騰に加え、住宅ローン金利も上昇しています。物件価格が高くなれば借入金額が増えやすく、さらに金利が上がると返済負担は二重に重くなります。

住宅ローンの固定金利は長期プライムレート、変動金利は短期プライムレートの影響を受けます。2001年以降の長・短期プライムレートの推移は以下のとおりです。

住宅ローン金利推移

住宅ローン金利推移

出所:日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降」をもとにLIMO編集部作成

直近10年を見てみると、短期プライムレートはほぼ横ばいといって良いでしょう。しかし2024年3月19日の金融政策決定会合で、日本銀行がマイナス金利政策の解除を決定した後、9月頃から短期プライムレートがやや上昇しています。

長期プライムレートについては2009年頃から下降傾向でしたが、2020年頃からじわじわと上昇。過去25年で最も高い水準に到達する勢いです。

たとえば、数年前には3000万円で検討できた物件が現在では3500万円に達しているとしましょう。

固定金利も上昇している(今後も上昇する)ようなケースでは、月々の返済額だけでなく総返済額も数百万円単位で差が生じることがあります。

購入希望者にとっては、「価格の高止まり」と「金利上昇」が同時にのしかかる厳しい状況です。

借入方法(固定か変動か)や返済期間の選択が、家計の安定性を左右する重要な要素となっています。