4. 年金生活で気にしたい「医療・介護費」は実際どのくらいかかる?
限られた年金収入のなかで暮らすうえでは、病気やケガ、介護といった突発的な支出にも備えておく必要があります。
高齢になるほど医療費は増加しやすく、長期入院や療養が必要になった場合の負担は大きくなりがちです。
持病による治療や定期的な通院が続けば、毎月の医療費が家計を圧迫するケースも少なくありません。
ここで、年代別の医療費の状況を確認していきましょう。
厚生労働省の統計によると、医療費は加齢とともに増加し、70歳代では年間60万円以上、90歳を超えると100万円を超える水準に達しています。
一方で、現役世代でも油断はできません。
20歳代では年間およそ10万円、30歳代でも15万円前後の医療費がかかっており、少額とはいえ、思わぬケガや病気で急な支出が発生することもあります。
5. 長く働き、健康を守りながら「老後の備え」を整えよう
年末に向けて出費が増えやすいこの時期は、生活費や医療費の見直しとあわせて、受け取れる公的支援制度の有無を確認する良いタイミングです。
特に今回紹介した給付金や手当は、申請してはじめて受給できる制度が多く、知らないまま手続きをしなかったことで損をしている場合もあり得ます。
働き方や年金受給状況によって必要となる制度は異なりますが、条件が合えば生活費の負担が軽減でき、将来への安心感にもつながります。
支援制度をうまく活用し、「長く働き、健康を維持しながら、自分らしい老後を準備する」という視点で、早めの情報整理や手続きを進めていきましょう。
参考資料
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」第2節 高齢期の暮らしの動向1 就業・所得
- 厚生労働省「令和6年簡易生命表」1 主な年齢の平均余命
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」
- 厚生労働省「再就職手当のご案内」
- 厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「か行 加給年金額」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
マネー編集部社会保障班

