3. 貯蓄は「シミュレーション・計画・継続」が重要
今回は日本の二人以上世帯の貯蓄状況をみてきました。
物価高が苦しい中ですが、こういった状況だからこそ、キャリアや年収、家計、貯蓄について俯瞰してみて考えたいもの。急に貯蓄を大きく増やすのは難しくても、毎月コツコツと貯めていく「計画性と継続」が貯蓄には重要です。
ひと月の家計収支や自動車税のように1年でみてかかる大きな支出、また教育費や自動車等の購入費のように数年~十数年単位でかかるまとまったお金について書き出して把握し、「家計収支の見直し」や「何に、いくらお金をかけるか」「どの期間・どの金融商品で貯めるか」などを決めておくことは大切です。
つい「出ていくお金」にばかり目がいきがちですが、「お金を増やす」収入部分についても考えたいもの。仕事による収入アップを考えるほか、最近では副業や資産運用など以前よりも収入を増やす選択肢は増えています。
新NISAがはじまったことで、毎月一定額を積み立てる積立投資もはじめやすくなりました。投資なのでリスクはありますが、長期間積立投資で運用を継続することである程度リスクを抑えながら運用できる可能性もあります。しっかりと情報収集をおこない、可能な範囲ではじめるのも一つでしょう。
副業や転職、資産運用などもありますが、いずれもメリット・デメリットがあるもの。事前によく調べることと自身の適性にあうかを考えて決めることが大切でしょう。
調べる際には、できるだけ具体的に調べることをおすすめします。たとえば積立投資であれば、「期間・金額・年利」別にいくらになるのか、具体的なシミュレーションをおこなうとよいでしょう。また具体的な売却タイミングや、株価などが大きく下落したときの行動についても考えておくと心強いものです。
これは転職や副業についても言えること。副業は会社によって可能かなど異なりますので、事前にしっかりと調べてくださいね。
老後についても、たとえばねんきんネットで将来の年金見込み額を調べたり、働き方や収入が変わった場合のシミュレーションをおこなうことができます。
具体的なシミュレーションをもとに計画をたてていきましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)貯蓄の状況」
- 総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 第8-11表<貯蓄・負債>貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯・勤労者世帯)」
- 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年8月
宮野 茉莉子