仕事に関する悩みは尽きないものですが、賃金の伸び悩みに起因するという人も少なくないでしょう。

ヒューマンホールディングス株式会社が5月に公表した調査結果によると、「現在の仕事に満足している」という人は58.2%。

「仕事に関する悩み」で最も多いのは「給与が低い」で35.6%でした。

給与があがる要因のひとつは「昇進」ですが、昨今では管理職になりたがらない人も増えています。

本記事では中間管理職の平均的な収入について紹介していきます。

1. 【40歳働き盛り】本音は「管理職よりスペシャリスト」

ヒューマンホールディングス株式会社は2025年5月29日、企業や組織・団体に勤務している1985年生まれの男女1000名を対象に「40歳のキャリア実態と『なりたい自分』意識調査2025」を実施しました。

調査結果によると、「スペシャリスト志向」の人が74.0%となっています(「スペシャリスト19.5%」「どちらかといえばスペシャリスト54.5%」の合計値))。

主な理由は次のとおりです。

  • 管理職に向いていないから
  • 管理職になりたくないから
  • 専門性を高めたいから

管理職に向いていないからという理由が最も多くなりました。

ただし、冒頭でも紹介したとおり、同調査では「仕事に関する悩み」として最も多く挙げられたのが「給与が低い」であることもわかっています。

調査対象が40歳に限定されていることから、15年以上ある社会人経験の中で、悩みを抱えている様子が窺えます。

また、20歳代のときに想定していた年収と今の年収にギャップがあることもわかりました。

2. 「40歳の年収」20歳代で想定していた金額とは程遠い結果に

同調査では、「20歳代のときに想定していた40歳時点の年収額」も調査されています。

最も多かったのは「500~600万円未満」で、25.8%を占めました。次いで「400~500万円未満(19.8%)」、「600~700万円未満(12.7%)」と続きます。

しかし、現在の年収としてもっとも多かった回答は「300~400万円未満」で(21.9%)でした。

その後「200~300万円未満(16.6%)」、「500~600万円未満(16.1%)」と続きます。

思い描いていた年収と実際の年収では、約100~200万円のギャップがあるという人もいるのです。

日本の平均年収は30年以上「400万円台」を推移していますが、昨今は物価上昇が急激に進んでいます。

年収の伸び悩みを感じている人は少なくないでしょう。

管理職を避ける人が多い現代ですが、もし中間管理職になれば年収アップは望めるのでしょうか。

3. 中間管理職「部長・課長・係長」の平均年収はいくらなのか

ここからは厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 役職別」を参考に、中間管理職「部長・課長・係長」の平均年収を紹介します。

3.1 【男性】中間管理職の賃金一覧表

  • 部長級:63万6400円
  • 課長級:52万2400円
  • 係長級:39万6300円

3.2 【女性】中間管理職の賃金一覧表

  • 部長級:54万9900円
  • 課長級:45万8100円
  • 係長級:35万4000円

3.3 【男女計】中間管理職の賃金一覧表

  • 部長級:62万7200円
  • 課長級:51万2000円
  • 係長級:38万5900円
  • いずれも役職があがるほどに賃金が上昇しており、前年調査より増加しています。

仮にボーナスが月給の2ヶ月分ずつだとすると、年収目安は次のようになります。

3.4 中間管理職の平均年収一覧表

  • 部長:1003万円程度
  • 課長:819万円程度
  • 係長:617万円程度

4. 給与も含めて考える今後のキャリア

40歳の本音や中間管理職の平均年収等について見ていきました。

単純に「給与をあげたい」という望みがあれば、昇進を重ねることは有効な手段であると言えます。

しかし、調査結果にあったとおり、スペシャリストを望むという人もいるでしょう。実際、管理職を目指したくないという人も少なくありません。

ミイダス株式会社が、経営者・役員200名と部下が3名以上いる中間管理職200名を対象として行ったアンケート「マネジメントに関する経営者・中間管理職の比較調査」によると、中間管理職の悩みとして以下の項目があげられています。

  • 部下と経営者の間で板挟みになる:44.0%
  • マネジメント業務が膨大:37.5%
  • 部下への適切な指導方法/伝え方が分からない:33.0%
  • ワークライフバランスの維持/推進が難しい:30.5%

さらに、管理職となると残業代がつかないことが一般的です。業務時間が長くなれば、昇進しても実質給与はあがらないということもあるでしょう。

多くの人が感じているように、管理職には向き不向きがあります。

給与面だけでなく、自身のやりがいやワークライフバランスなども含め、総合的に検討することが求められます。

参考資料

太田 彩子