政府は2019年より、経済的に厳しい状況にある高齢者の生活を下支えする目的で、「年金生活者支援給付金」の制度を導入し、支給を行っています。
この給付金は、公的年金およびその他の収入が一定の基準を下回る人を対象としており、条件に該当する場合は2か月に一度、約1万円程度の支給を受けられるケースもあります。
また、この制度は一度きりの支給ではなく、該当条件を満たし続ける限り、定期的に受け取ることが可能で、シニアの暮らしを支える重要な制度となっています。
本記事では、特にシニアと関わりが深い「老齢年金生活者支援給付金」の概要や対象者の要件、受給までの流れについて詳しく解説します。
1. 6月から2.7%増える「老齢年金生活者支援給付金」の対象者は?
「年金生活者支援給付金」を受け取るには、下記のいずれかの年金を受給していることが前提となります。
- 老齢基礎年金(国民年金)
- 障害年金
- 遺族年金
加えて、給付を受けるためには年金受給だけでなく、定められた複数の条件をすべて満たしていることが必要です。
本章では、老齢基礎年金(国民年金)を受給している人が受け取れる可能性がある「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件について詳しく見ていきましょう。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の受給対象者はどんな人?
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
年金生活者支援給付金は、公的年金と同様に毎年見直しが行われており、2025年度は「2.7%」の増額改定となりました。
実際に改定後の金額が反映されるのは、6月の支給日からとなりますが、給付基準額はいくらになったのでしょうか。
次章にて、2025年度における「老齢年金生活者支援給付金」の具体的な給付基準額について確認していきましょう。