5. 現代のシニア世代はいくら受給している？《一覧表》国民年金と厚生年金「平均年金月額」
ここからは厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金（※）の受給額を見ていきます。
※厚生年金の被保険者は第1号～第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険（第1号）」（以下記事内では「厚生年金」と表記）の年金月額を紹介します。
5.1 《一覧表》国民年金と厚生年金「60歳～90歳以上」全体・男女別の平均年金月額はいくら？
《国民年金》平均年金月額
- 全体 5万7584円
- 男性 5万9965円
- 女性 5万5777円
《厚生年金》平均年金月額
- 全体 14万6429円
- 男性 16万6606円
- 女性 10万7200円
国民年金のみの受給権者は、全体・男女別ともに、平均月額は5万円台となっています。
なお国民年金は、満額受給の場合でも7万円弱です。
一定の要件を満たす場合、「老齢年金生活者支援給付金」の支給対象になります。
一方、厚生年金（国民年金を含む）の受給権者の場合、平均年金月額は「全体で14万円台」でした。
国民年金のみの受給権者と比較すると、厚生年金（国民年金を含む）の受給額は高めになっています。
しかし、厚生年金（国民年金を含む）の平均年金月額を男女別に見ると、男性は16万円台、女性は10万円台となっており、女性の平均年金月額の方が6万円ほど少ないことがわかりました。
厚生年金の受給額は、現役時代の働き方や収入などに影響を受けるため、個人差が生じやすくなっています。
それにより、厚生年金の受給額は、月額3万円未満～25万円超まで、幅広い受給額帯に分布しています。
受給額次第では、厚生年金を受け取る場合でも「老齢年金生活者支援給付金」の支給対象となる可能性はあるでしょう。
6. 年金生活者支援給付金がもらえない「不該当」になるケースとは
年金生活者支援給付金の支給対象となる人が、一度請求手続きをおこなうと、支給要件を満たす限り継続的に受け取ることができます。
2カ月に1度公的年金に上乗せして支給されるため、「年金生活の負担が少し軽減される」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
ただし毎年、前年分の所得額等を確認して支給要件に当てはまるかどうかの判定が実施されるため、結果によっては、年金生活者支援給付金の支給要件が「不該当」となるケースもあります。
年金生活者支援給付金の支給要件が「不該当」となるのは以下のようなケースです。
6.1 「不該当になるケース1」老齢（補足的老齢）年金生活者支援給付金を受給していた方
- 受給者の2023年分の所得額等が、88万9300円（※1）を超えている場合
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方は88万7700円 - 同一世帯に市町村民税が課税されている方がいる場合
6.2 「不該当になるケース2」障害年金生活者支援給付金または遺族年金生活者支援給付金を受給していた方
- 受給者の2023年分の所得額が、472万1000円（※2）を超えている場合
※2 扶養親族等の数に応じて増額されます。
なお、不該当の判定が出た場合でも、のちに下記のような変化があった人は、「年金生活者支援給付金請求書」の再提出をすることで、年金生活者支援給付金を受給することができる可能性もあります。
- 所得額の更正がおこなわれた
- 世帯構成が変更になった
- 年金の支給が再開した
