筆者は銀行員時代、NISA制度のしくみやメリット・デメリットを多くのお客様にお伝えしてきました。制度が始まって以降、NISA制度に関心をもつ人は多いと感じています。
2024年1月からは、さらに長期的な資産形成に適した制度に生まれかわり、NISA口座開設数は2023年12月末からの1年間で約2560口座も増えています(参照:日本証券業協会が発表した「NISA口座の開設・利用状況(2024年12月末時点) 【速報版】」)。
株価や為替が大きく変動していることで、投資に興味をもつ人が増えたことも一因かもしれません。
本記事では、投資初心者が新NISAのつみたて投資枠を利用して投資を始めるにあたり、「後悔しない」投資信託の選び方を解説していきます。資産運用におけるポイントもご紹介していますので、参考にご覧ください。
1. 新NISA「つみたて投資」の投資対象にはどんなものがある?
新NISAの「つみたて投資枠」を利用して積立投資を行う際、選択できる投資信託は、金融庁によって厳選されたものに限定されています。
この投資枠に適合するファンドには、基準や種類、また本数に関して、いくつかの条件が設定されています。
1.1 新NISA「つみたて投資枠」の対象対象をチェック
新NISAの「つみたて投資枠」は、国民が安定的に資産を形成できるよう支援することを目的とした制度で、特に「長期間の投資を通じて、資産の積み立てと維持の重要性」を実感してもらうことを狙いとしています。
この枠で利用可能な投資信託は、厳格な基準をクリアした商品に限られ、金融庁の承認を受けた信託のみが対象となります。
- 販売手数料はゼロ(ノーロード)
- 信託報酬は一定水準以下に限定
- 受益者ごとに過去1年間に負担した信託報酬等の概算値が通知されること
- 信託契約期間が無期限または20年以上であること
- 分配頻度が毎月でないこと
- ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
1.2 新NISA「つみたて投資枠」の投資対象ファンドの本数は?
- 指定インデックス投資信託:254本
- 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):57本
- 上場株式投資信託(ETF):8本
※2025年3月6日時点
上記から、投資対象となるファンドの約8割が「指定インデックス投資信託」であることがみてとれます。