5.2 分散して積立投資をする

新NISAでリスクを抑えながら投資を行うための2つ目のポイントは、積立投資による購入タイミングの分散です。

価格の短期的な変動に影響されることなく、長期的な成長を見据えて投資を続けることで、時間を味方にしてリターンを最大化することができます。

日経平均株価に毎月積立投資をしていたら

日経平均最高値の翌月から日経平均に毎月積立投資をした場合のシミュレーション

出所:金融庁「20・30代投資初心者向けつみたてNISA Meetup Online」

日経平均株価が長期間低迷し、2024年に約30年ぶりに高値を更新したことは、最近の記憶に新しい出来事です。

もし1990年に日経平均株価に連動する投資信託を購入し、そのまま放置していた場合、約30年間もの間、損失を抱え続けていたことになります。

しかし、もしその期間中に積立投資を行っていたなら、株価が低迷していた時期に安く購入し、最高値更新時に大きなリターンを得ることができたはずです。

この事例から、価格の上下に影響されずに積立投資を続けることの重要性が浮き彫りになります。

5.3 投資先を分散する

最後に強調すべきポイントは分散投資です。

特に、投資のタイミングと投資先を分散することが成功のカギとなります。

時間の分散は、投資を行うタイミングをずらすことで、市場の短期的な変動に左右されにくくする手法で、積立投資がその代表例です。

また、投資先の分散については、「後悔しないために注意したいポイント」でも触れたように、特定の地域や資産クラスに偏らないようにすることが大切です。

さらに、株式以外にも債券やREIT(不動産投資信託)への投資を分散させることも有効です。

債券やREITへの投資は、新NISAの「成長投資枠」を活用できるため、まずは「つみたて投資枠」で運用に慣れた後、これらの投資にも挑戦することを検討してみると良いでしょう。

6. まとめにかえて

今回は投資信託選びについて詳しく解説してきました。

新NISAがスタートし1年程が経過しましたが、直近ではトランプ大統領の発言1つ1つで相場不安定になっており、NISAを続けるか不安に感じられている人もいるかもしれません。また、これから始めようと思っていたのに、躊躇している…という人もいるでしょう。

そういった時には、改めて「運用の目的」を思い返してみてください。

老後や教育資金など、運用の目的があったはずです。

投資信託での運用は長期・積立・分散がポイントです。

短期的な動きに一喜一憂せず、自身の目標達成に向けた商品選び、運用方針が決められるといいですね。

参考資料

奥野 友貴