3. 「新NISA」で注意したい投資信託の3つのポイントとは?

新NISAの「つみたて投資枠」を活用する際、どのように投資信託を選ぶべきでしょうか。

本章では、新NISAで投資信託を選ぶ際に「後悔しない」ために押さえておくべき3つのポイントをご紹介します。

3.1 ポイント1:「信託報酬」が低いファンド

投資信託には一般的に、購入時・保有中・売却時にそれぞれコストが発生します。

しかし、新NISAの「つみたて投資枠」に該当するファンドは「ノーロード型」となっており、購入手数料がかからない点が特徴です。

そのため、選ぶ際には運用期間中や売却時にかかるコストに注目する必要があり、特に注視すべきなのが「信託報酬」と呼ばれる、保有中に継続的に差し引かれる運用管理費用です。

信託報酬は日々運用資産から控除されるため、基準価額にも直接的な影響を与えます。

例えば、資産が10万円あり、信託報酬が年率0.5%で設定されている場合、1日あたりの負担はおよそ1.4円程度になります。

長期的に投資を続ける上では、この信託報酬が運用成果に与える影響は小さくありません。

同じような運用スタイルや商品設計のファンドであれば、できるだけ信託報酬の低いものを選ぶことが、将来的な資産形成に有利となります。

では実際に、どの程度の信託報酬水準のファンドが多く選ばれているのか見ていきましょう。

つみたて投資枠対象商品の信託報酬率の分布

つみたて投資枠対象商品の信託報酬率の分布

出所:金融庁「つみたて投資枠対象商品の概要について」

国内市場に投資する指定インデックス型投資信託の信託報酬の平均はおおよそ0.242%となっており、特に0.1%を超え0.2%以下に収まるファンドが多数を占めています。

一方で、国内と海外の両方に分散投資する指定インデックスファンドの場合、平均的な信託報酬は約0.321%です。

この分類においては、0.4%超~0.5%以下の水準のファンドが最多となっています。