「日本最大級の通信会社であるKDDIで働くと、実際どれくらいの年収が得られるのか」「au経済圏を展開する大手だけれど、実態はどうなのか」と気になっていませんか?
有価証券報告書によると、KDDI(提出会社単体)の平均年間給与は1051万939円で、前年から3.2%増加しています。
ただし、この数字は約1万人の従業員全体の平均であり、パーソナル・ビジネスの両事業を展開する同社の雇用構造を反映したものです。
本記事では、2026年3月期の最新の有価証券報告書をもとに、KDDIの平均年間給与・従業員数・業績推移・今後の経営方針を詳しく解説します。
就職や転職を考えている方はもちろん、同社の株主・投資家の方にとっても、待遇や経営状況を把握する参考になるはずです。
- 平均年間給与1051万939円(前年比3.2%増):通信大手として高水準の給与を維持しつつ、着実な増加が続いている。
- 従業員数は単体9891名、連結7万3198名:パーソナル・ビジネスの2事業に加え、金融やエネルギーなど多様な領域で人材が活躍する雇用構造がわかる。
- 5期連続の増収と新中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」:2026年5月に発表された、AI時代を見据えた新たな成長戦略の中身がわかる。
1. KDDIの平均年間給与はいくら?2026年3月期の最新データ
KDDI(提出会社単体)の2026年3月31日時点における平均年間給与は1051万939円で、前年から3.2%の増加となりました。
平均年齢は42.3歳、平均勤続年数は16.4年です。
平均年間給与は前年から3.2%の増加となり、着実な伸びを見せています。
2. KDDIの従業員数は何人?セグメント別の内訳
有価証券報告書によると、提出会社(単体)の従業員数は2026年3月31日時点で9891名です。
単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- パーソナル:6076名
- ビジネス:3815名
また、連結の従業員数は7万3198名(臨時従業員4万4964名を含む)です。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- パーソナル:2万9753名〔臨時1万3412名〕
- ビジネス:3万9707名〔臨時2万9759名〕
- その他:3738名〔臨時1793名〕
連結従業員数は前連結会計年度末に比べ8562名増加した一方、臨時従業員数(平均人員)は7786名減少しています。
主な要因は、月末退職者を従業員数に含める、無期雇用契約社員を臨時従業員数から従業員数に含めるなど、集計方法を見直したことによるものです。
3. 過去5期の業績推移―増収基調と利益の回復
過去5期の連結業績を振り返ってみましょう。
売上高は2022年3月期の5兆4467億円から、2026年3月期には6兆719億円まで、5期連続で増加しています。
一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は、2022年3月期の6725億円をピークに、2024年3月期には6003億円まで3期連続で減少しました。
その後は回復基調をたどり、2026年3月期には前期比7.9%増の7071億円と、過去5期で最高となりました。
2026年3月期の売上高は、通信を基盤としたモバイル収入に加え、金融事業収入やIoT関連サービス・データセンター等で構成されるグロース領域の成長により、前期比4.1%増の6兆719億円となりました。
営業利益は同1.1%増の1兆991億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同7.9%増の7071億円となっています。
4. 今後の方針―新中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」
KDDIは2026年5月、新たな中期経営戦略(2026年度~2028年度)「Power-to-Connect 2028」を発表しました。
AIが社会インフラとして広く浸透する「AI前提社会」の到来を見据え、お客さまとの接点や全国に展開したインフラ、多様なスキルを持つ人財など、AIに代替されにくいリアルなアセットを生かし、異分野融合による価値創造手法「Fusion」(Real-Tech Fusion/Infrastructure Fusion/HR Fusion)を通じて事業の強化・創出に取り組むとしています。
あわせて、報告セグメントを「テレコムコア」「パーソナルグロース」「ビジネスグロース」の3領域に再定義し、中核事業の安定的な利益・投資原資をグロース領域に再配分することで、グループ全体の成長を加速させる方針です。
財務目標としては、調整後営業利益の年平均成長率(CAGR)5%を掲げるとともに、配当性向40%超を目安とした安定増配を継続するとしています。
また、新たなブランドメッセージ「Spark Your Journey」を策定し、グループ一丸となってお客さま一人ひとりの挑戦を後押しする姿勢を打ち出しています。
5. まとめにかえて
KDDIの平均年間給与は1051万939円と、前年から3.2%の増加を見せています。
従業員数は単体9891名、連結7万3198名で、パーソナル・ビジネスの2事業を軸とした雇用構造となっている点が特徴です。
業績面では、売上高が5期連続で増加し、2026年3月期の最終利益は過去5期で最高となりました。
2026年5月に発表された「Power-to-Connect 2028」のもと、AI前提社会を見据えたさらなる成長が期待されています。
5.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人員であり、子会社などへの出向社員は含んでいません。
5.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
6. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
KDDIは通信事業を中核としながら、金融・エネルギー・エンタメなど「au経済圏」と呼ばれる多角的なサービス展開を進めています。
就職や転職を検討する際は、平均給与の水準だけでなく、2026年5月に発表された新中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」で掲げられている「HR Fusion」のように、AIを使いこなす人財育成に力を入れている点にも注目したいところです。通信技術者に限らず、多様な専門性やスキルを持つ人材が活躍できる環境づくりが進んでいる点は、キャリア形成を考えるうえで参考になるでしょう。
投資家目線では、売上高が5期連続で増加し、2026年3月期の親会社の所有者に帰属する当期利益が過去5期で最高となった点は評価できます。配当については配当性向40%超を目安とした安定増配の方針が示されており、今後の株主還元と成長投資のバランスにも注目したいところです。
参考資料
マネー編集部年収班
