メガバンクの中核を担う三菱UFJフィナンシャル・グループで働くと、実際どれくらいの年収が得られるのでしょうか。
「持株会社という特殊な立場で、現場の銀行員とはどんな待遇差があるのか」と気になっていませんか?
最新の有価証券報告書によると、同社(提出会社単体)の平均年間給与は1170万円を超え、前事業年度から7.0%伸びています。
ただし、この数字は持株会社としての特殊な人員構成を反映したもので、額面通りに受け取ると実態を見誤ります。
本記事では、有価証券報告書の最新データをもとに、平均給与・平均年齢・勤続年数から連結16万人超の従業員構成まで詳しく解説します。
読むことで、メガバンクグループへの就職・転職を検討する際の待遇面での判断材料が得られます。
- 平均年間給与1170万2000円の実態:提出会社(持株会社)単体の平均年間給与は前事業年度比7.0%増の1170万2000円。ただし対象は3637人の持株会社所属者に限られ、グループ全体の給与水準を直接示すものではない。
- 連結16万1576人の従業員構成:グループ全体の連結従業員数は16万1576人。最大勢力はグローバルコマーシャルバンキング事業本部の7万3850人で、全体の半数近くを占める。
- 賃上げ・報酬制度改革の動き:複数あった社員コースの一本化やベースアップ、管理職向けの株式付与制度(ESOP)導入など、人的資本投資の強化が給与上昇を後押ししている。
1. 三菱UFJフィナンシャル・グループの平均年間給与はいくらか
三菱UFJフィナンシャル・グループ(提出会社)の2026年3月31日時点での平均年間給与は1170万2000円です。
前事業年度比では7.0%の増加となっており、大手金融グループの中でも高い伸び率を示しています。
従業員の平均年齢は40.3歳、平均勤続年数は13.5年です。
提出会社の従業員は、海外の現地採用者のほか、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などからの出向者で構成されています。
ただし、当社から他社への出向者は含みません。
2. 三菱UFJフィナンシャル・グループの従業員数は何人か
有価証券報告書によれば、提出会社(単体)の従業員数は2026年3月31日時点で3637名です。
単体の従業員は、銀行・信託銀行・証券などのグループ中核会社からの出向者を中心に構成されています。
一方、連結の従業員数は16万1576名にのぼります。
事業本部ごとの内訳は以下の通りです。
最大勢力はグローバルコマーシャルバンキング事業本部の7万3850名で、連結従業員の半数近くを占めています。
タイのバンクオブアユタヤなど海外の商業銀行事業を含む部門であり、MUFGの海外展開の広がりを反映した数字です。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、銀行、信託銀行、証券会社に加えて、カード会社、消費者金融会社、リース会社、資産運用会社など、多数のグループ会社で構成されています。
3. 給与・処遇改革を進める人的資本投資の動き
2024年度からの中期経営計画では、「企業変革の加速」を3本柱の一つに掲げ、人的資本の拡充に取り組んでいます。
具体策として、報酬水準に差があった複数の社員コースの一本化や、ベースアップを含む賃上げ、福利厚生の拡充などを進めています。
また2024年7月からは、三菱UFJ銀行・三菱UFJ信託銀行・三菱UFJモルガン・スタンレー証券において、一定要件を満たす管理職向けに、株式付与ESOP(従業員持株制度)を活用した株式交付制度を導入しています。
こうした人的資本投資の強化が、平均年間給与の伸びを後押ししていると考えられます。
4. まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は、仕事をする人にとって誰もが気になる要素ではないでしょうか。
ただし、持株会社単体の給与データは、グループ内の特殊な人員構成を反映したものである点に注意が必要です。
グループ全体の実態を知るには、連結ベースの従業員構成もあわせて確認することをおすすめします。
こうしたデータが、就職活動や転職活動の参考になれば幸いです。
4.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
また、従業員数は、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
平均勤続年数は、出向元での勤続年数を加算しています。
4.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
有価証券報告書は、原則として事業年度経過後3カ月以内に提出することが求められています。
5. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
メガバンクグループのように、銀行・信託銀行・証券会社など複数の中核会社を抱える組織では、同じグループに属していても、所属する会社や出向先によって給与水準やキャリアパスの感覚が大きく異なります。持株会社は経営管理を担う中枢機能であり、そこに在籍する社員の多くは主要子会社からの出向者で構成されている点が特徴です。
有価証券報告書に記載されている「平均年間給与」は、あくまである時点・ある会社単体の集計値に過ぎません。特に金融持株会社の場合、そこに名を連ねる社員は本体各社からの出向者で構成されているため、額面の数字だけを見て「この会社は給料が高い」と単純に判断するのは早計です。実際の待遇は、出向元の等級や役職、勤務地手当など、様々な要素が組み合わさって決まります。
投資家目線で見ると、平均年間給与が前事業年度比7.0%増加した背景には、複数あった社員コースの一本化やベースアップ、管理職向けの株式付与制度(ESOP)導入など、人的資本投資の強化が関係していると考えられます。人件費の増加は一見コストに見えますが、優秀な人材の確保・定着につながり、中長期的な企業価値向上を支える投資と捉えることもできます。三菱UFJフィナンシャル・グループの株式に投資する場合も、従業員への処遇や人的資本戦略がどのように機能しているかを確認しておくと、企業の持続的な成長力を見極める一助になるはずです。
就職・転職を考える際は、公開されている平均給与の数字を入口としつつ、実際にその会社・その部署でどのようなキャリアを歩めるのか、面接や説明会などを通じて具体的にイメージを膨らませることをおすすめします。
参考資料
マネー編集部年収班
