1.1 貯蓄平均と中央値の違い

70歳代の貯蓄平均値をみると二人以上世帯・単身世帯どちらも1500万円超となっていることから、「多くの世帯がある程度の老後資金の準備ができている」と思った方もいるでしょう。

しかし、平均値は極端に大きい数字があると偏る傾向にあるため、実態に近い貯蓄額とはいえません。

一方で中央値は、ちょうど真ん中にある数値を指しており、平均値よりもより実態に近い貯蓄額となることから、リアルな貯蓄額を知りたい場合は「中央値」を参考にすると良いでしょう。

70歳代の中央値は、二人以上世帯で「700万円」、単身世帯で「500万円」であり、どちらも1000万円に到達できていません。

さらに、平均値と中央値に1000万円以上の差があることから、貯蓄格差が生じていることもみてとれます。

次章にて、70歳代のリアルな貯蓄割合について確認していきましょう。

2. 【貯蓄ゼロは何%?】70歳代の貯蓄割合

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、70歳代二人以上・単身世帯の貯蓄割合は下記のとおりです。

2.1 二人以上世帯の貯蓄割合一覧

70歳代二人以上世帯の貯蓄割合

70歳代二人以上世帯の貯蓄割合の棒グラフ

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに筆者作成

  • 貯蓄ゼロ(金融資産非保有):19.2%
  • 100万円未満:5.6%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:4.7%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:10.2%
  • 1500~2000万円未満:6.6%
  • 2000~3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%
  • 無回答:2.6%