12月23日で、年末ジャンボ宝くじの発売が締め切りとなりました。

1等・前後賞をあわせて10億円。「もし当たれば老後の心配なんて吹き飛ぶのに」と夢をみずにはいられない人も多いでしょう。

しかし、1等に当選するのは雷に打たれるのと同じくらいの確率だと言われていますから、夢をおいかけつつ堅実な老後対策も立てておきたいところです。

そこで今回は、「厚生年金を14万円もらうのに必要な年収」と「月14万円の年金があっても老後がヤバい理由」の2本立てでお話していきたいと思います。

【注目記事】厚生年金だけで【月平均25万円以上の年金収入】の羨ましい人は日本に何パーセントいるか

1. 令和2年度 厚生年金の受給額をチェック

日本の年金制度は、国民年金と厚生年金の「2階建て」です。

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出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

厚生労働省「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の平均月額は14万4366円となっています。

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出所:厚生労働省「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

とはいえ、受給者の総数は1610万133人。個人差が大きいことは忘れてはいけません。

14万円以上の厚生年金を受給しているのは全体の52%、10万円未満は23%となっています。

なお、男性のうち10万円未満に該当するのは10.5%ですが、女性は48.9%にものぼります。

厚生年金は報酬比例の年金となっていますから、現役時代の年収が大きく影響します。
全体平均にあたる14万円以上の厚生年金をもらうには、どれくらいの年収が必要なのでしょうか。

2. 厚生年金14万円を実現するために必要な現役時代の年収は

定額部分(国民年金)と報酬比例部分をあわせたものが厚生年金と呼ばれており、2020年度の定額部分は6万5141円です。

月額14万円の厚生年金をもらうには、14.4万円-約6.5万円=7.9万円の報酬比例部分が必要だということになります。

この報酬比例部分の算出方法は2003年3月以前と4月以降で異なるため、どちらの期間にもまたがって厚生年金に加入していた場合は、それぞれに計算した金額を合算しなければなりません。

(参考)厚生年金の計算式

  • 2003年3月以前:平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
  • 2003年4月以降:平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

ここでは、2003年4月以降のみ厚生年金に加入していたものとして、以下の条件で試算していきます。

3. 厚生年金14万円を叶える!年収シュミレーション

  • 条件①厚生年金の加入期間:38年間
  • 条件②配偶者・扶養家族:なし
  • 条件③国民年金の納付期間:40年間(未納期間なし)
  • 条件④報酬比例部分の年額:96万円(月額約8万円×12ヶ月)

平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数=報酬比例部分の年額ですから、標準報酬額に38万4000円をあてはめると95万9745円(約96万円)になります。

標準報酬額は月収と賞与額をもとに等級が決まるため実際の年収と若干のズレはありますが、現役中に38万4000円×12ヵ月=460万8000円の年収を稼いでいれば月14万円の年金がもらえる計算ですね。

4. 年金制度の落とし穴とは?年収が高い人ほど老後が本当はヤバい?

国税庁が公表する「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、全体の平均給与は433万円です。460万円には届かないものの、同程度の水準といえるでしょう。

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出所:国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」

しかし、性別・雇用形態別にみた平均年収を先ほどの試算条件に当てはめると、以下のような年金額となります。

〈正規雇用〉

  • 男性:平均年収550万円→年金月額16万532円
  • 女性:平均年収384万円→年金月額13万1789円

〈非正規雇用〉

  • 男性:平均年収228万円→年金月額10万4713円
  • 女性:平均年収153万円→年金月額9万1696円

あくまで概算ではありますが、年金額だけをみればたしかに年収が高いほどもらえる年金も多くなっています。

しかし、視点を変えれば現役時代に年収153万だった人の年金収入は年額110万352円。マイナス43万円程度の減収でおさまっています。

一方、年収550万円を稼いでいた人の年金年額は192万6384円ですから、現役時からみるとマイナス358万円ほどに。

それまでの生活水準をキープしたいと考えた時に打撃が大きいのは、むしろ年収が高かった人ということになります。

収入が激減するからといっても、住む家や着るもの・食べるもの、休日の過ごし方を一気に変えるのは難しいでしょう。

スムーズに年金生活に移行するためには、資産をしっかり築いておくか、日頃からスリムな暮らしを心がけておく必要があります。

5. 年金以外の資産形成を

今後も年金制度は変わっていく可能性がありますし、制度そのものに対する賛否両論があるでしょう。

それでも、老後は訪れます。

自分にとって良い老後を迎えられるよう、いまできる事から始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料