4. 年金制度の落とし穴とは?年収が高い人ほど老後が本当はヤバい?

国税庁が公表する「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、全体の平均給与は433万円です。460万円には届かないものの、同程度の水準といえるでしょう。

出所:国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」

しかし、性別・雇用形態別にみた平均年収を先ほどの試算条件に当てはめると、以下のような年金額となります。

〈正規雇用〉

  • 男性:平均年収550万円→年金月額16万532円
  • 女性:平均年収384万円→年金月額13万1789円

〈非正規雇用〉

  • 男性:平均年収228万円→年金月額10万4713円
  • 女性:平均年収153万円→年金月額9万1696円

あくまで概算ではありますが、年金額だけをみればたしかに年収が高いほどもらえる年金も多くなっています。

しかし、視点を変えれば現役時代に年収153万だった人の年金収入は年額110万352円。マイナス43万円程度の減収でおさまっています。

一方、年収550万円を稼いでいた人の年金年額は192万6384円ですから、現役時からみるとマイナス358万円ほどに。

それまでの生活水準をキープしたいと考えた時に打撃が大きいのは、むしろ年収が高かった人ということになります。

収入が激減するからといっても、住む家や着るもの・食べるもの、休日の過ごし方を一気に変えるのは難しいでしょう。

スムーズに年金生活に移行するためには、資産をしっかり築いておくか、日頃からスリムな暮らしを心がけておく必要があります。