総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分」によれば、前年同月比でうるち米(コシヒカリを除く)99.2%、チョコレート 39.2%、コーヒー豆 40.2%の上昇となっています。
リタイア後で年金生活となれば、基本的に年金と貯蓄で生活することになります。
年金は毎年度改定され、物価変動などもあり2025年度は増額となっていますが、マクロ経済スライドによる調整が入り実質的には目減りに。
物価高に対しては自身で対応する必要もありますが、想定しておらず家計に厳しさを感じているご家庭もあるでしょう。
現役時代から老後に備える必要がありますが、一方で老後の具体的なお金事情は想像しにくいものです。
最近では60歳代では働く人も多く、リタイアする方が多いのは70歳以降となります。今回は70歳代夫婦世帯に視点をあててそのお金事情をみていきましょう。
1. 生活苦しい高齢者は5割超
まずは現代の高齢者の生活意識について、7月4日に公表された厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」より見ていきましょう。
上記によれば、高齢者世帯の生活意識は以下の通り。
1.1 高齢者世帯の生活意識
- 大変苦しい:25.2%
- やや苦しい:30.6%
- 普通:40.1%
- ややゆとりがある:3.6%
- 大変ゆとりがある:0.6%
大変苦しいとやや苦しいを合計した「苦しい」は55.8%。
高齢者で「普通」と答えた人よりも、「苦しい」と感じている人が多くなっています。
ただ、「全世帯」と比べると、全世帯での「苦しい」は58.9%ですから、高齢者世帯に絞った方が苦しいと答えた人の割合は少なくなっています。