先日、18歳から34歳の独身男女のうち「一生結婚するつもりはない」と答えた人の割合が過去最高になったと各種メディアで報道されました。これは、国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」に基づいた結果です。

結婚しない人の中には、「結婚したいと思えるような人とまだ出会えていない」という方や「家庭を持つという事に対して何の魅力も感じない」という方もいるでしょう。

また、今の時代は「独身でいる」ということが一つの生き方として少しずつ理解されやすい世の中になってきており、「結婚しないこと」に対して後ろめたさを感じにくくなってきたこともあります。

ただ、独身でいるということは、自分ひとりで一生生活していけるだけの金銭面での基盤もしっかり備えておく必要があります。

特に老後については年金だけで生活ができないと言われる世の中ですから、万一のことも考えて年金以外の老後資金を準備しておく必要もあるでしょう。

では、年金以外の老後資金といえば何があるのでしょう?

よく耳にするのは「不労所得」ではないでしょうか。不労所得については、その言葉から何となくイメージがつくという方もいると思いますが、実際に不労所得と年金だけで老後を乗り切れるかは不透明な部分も大きいですよね。

そこで、今回は「不労所得で老後を乗り切ることはできるのか?」これをテーマに老後の生活について考えていきたいと思います。

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1. そもそも不労所得ってなに?

まず初めに、「不労所得とは具体的にどういうものなのか」から説明していきたいと思います。

普段、私たちが働いて得る給料は「勤労所得」に分類されますが、働かずに得る所得は「不労所得」に分類されます。

具体的にどういうものかというと、「株の配当」や「預貯金の利息」、「土地や住宅の賃貸料」などの「財産所得」があげられます。

しかし、このような財産所得から老後生活の足しになるぐらいの収入を得るには、ある程度まとまった資金が必要となるため、不労所得を得ることはとてもハードルが高いように思えますよね。

では実際に、60歳以上でこうした不労所得を得ている方はどのくらいいるのでしょうか。次の項で詳しく見ていきたいと思います。

2. 60歳以上で不労所得がある人は1割未満

さっそく、60歳以上で不労所得がある人の割合について、内閣府の「令和元年(2019年)度高齢者の経済生活に関する調査結果」を元に見ていきましょう。

回答者全体の「収入の種類」は以下のとおりです。

回答者全体(N=1755)

  • 仕事による収入:41.0%
  • 公的年金・恩給:87.3%
  • 公的年金・恩給以外の社会保障給付金(生活保護等):1.1%
  • 企業年金、個人年金等:16.5%
  • 財産からの収入(利子、配当金、家賃、地代等):8.4%
  • 子などからの仕送り・援助:2.2%

調査結果によると、利子や配当金、家賃といった「財産からの収入=不労所得」があると答えた方は8.4%。回答者全体の1割未満となりました。

やはり不労所得を得るということは、多くの方にとってハードルが高いことのようですね。

3. 不労所得がある人はどういう人?

先程の調査結果によれば、不労所得を得ている方は非常に稀な存在ということがわかりましたが、実際どのような人が不労所得を得ているのでしょうか。

先程の同資料をもとに、不労所得がある人の就労状況を見ていきましょう。

  • 自営業・個人事業主・フリーランス:13.4%
  • 正規の社員・職員・従業員:3.3%
  • パート・アルバイト:6.7%
  • 労働者派遣事業所の派遣社員:-
  • 契約社員・嘱託社員:2.9%
  • 会社または団体の役員:21.6%
  • その他:-
  • 収入のある仕事はしていない:8.3%

データによれば、不労所得を得ている人は「会社または団体の役員」(21.6%)、や「自営業・個人事業主・フリーランス」(13.4%)と、何かしら就労状況にある方が多いということが分かりました。

不労所得というと、もの凄くお金持ちで悠々自適な生活を送っている人という印象が強いものですが、実際はなんらかの「勤労所得」を得ている人が大多数のようですね。

4. 不労所得があれば老後生活に心配はない?

ここからは、不労所得がある人の日頃の「暮らし向き」について見ていきましょう。

不労所得がある人の経済的な暮らし向きは以下のとおりです。

  • 家計にゆとりがあり、まったく心配ない:20.1%
  • 家計にゆとりはないが、それほど心配ない:54.0%
  • 家計にゆとりがなく、多少心配である:20.3%
  • 家計が苦しく、非常に心配である:5.1%
  • その他:0.5%

上記データによれば、なんと不労所得がある人の全体の74.1%が「心配なく暮らしている」という結果です。

年金が少ないと言われるなか、毎月5万円でも10万円でも収入があれば確かに生活にゆとりはでそうですよね。

5. 老後に受け取れる年金はいくら?

つづいて、老後に受け取れる年金の平均受給額も確認しておきましょう。ここでは、会社員や公務員が受け取れる厚生年金(※国民年金の受給額含む)について見ていきましょう。

厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」による年金の受給額は以下のとおりです。

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出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

5.1 厚生年金の平均月額

  • <全体>平均年金月額:14万4366円
  • <男性>平均年金月額:16万4742円
  • <女性>平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

5.2 厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5,655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

上記データによる平均受給額は14万4366円です。男性は16万4742円、女性10万3808円と約6万円の差があります。

会社員や公務員は厚生年金と国民年金の両方を受け取れるとはいえ、人によって受け取れる受給額に大きな差がありそうです。

将来の年金額が少ないかもという方は、不労所得を得られるように準備しておくことも検討視野に入れておいても良いかもしれませんね。

6. 老後の準備に不労所得も考えてみる?

一生独身でいるにしても、結婚して家庭を持つにしても、誰もが準備する必要のある老後資金。

しかし、必要と分かっていても準備をするのはとても大変ですよね。

いつまで自分の寿命があるのかは誰にも分かりませんし、「老後資金」のことばかり考えて、目の前にある生活の楽しみに制限をかけすぎるのも避けたいものです。

実際、今の生活の楽しみを抑えてまで、毎月の収入からどのくらいの金額を老後資金の準備に回せばいいかよく分からないという方も多いと思います。

その場合は、今の生活と将来の生活で絶対に譲れないものを自分の中で把握しておくと良いかもしれません。

たとえば、今の生活で譲れないものとして「年に2回は旅行に行く」や、将来の生活で譲れないものとして「清潔感のある家に住んで、毎月趣味に使えるお金の余裕が3万円は欲しい」など。

その両方を手に入れるには、どうバランスを取ればいいか考えてみれば、あまり今の生活を我慢することなく将来の準備もしやすくなるかもしれません。

そして、もしその中で不労所得を得ることが老後資金の準備に必要だと思ったら、そのときに不労所得を得る準備を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料