「老後の生活費」って、どのくらい必要?

では、老後の生活費はいくらかかるのでしょうか。

生命保険文化センターが行った意識調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える「最低日常生活費」は月額で平均22万1000万円。さらに「ゆとりある老後生活」を送るための費用として、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均14万円です。

その結果、「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した「ゆとりある老後生活費」は平均で36万1000万円となります。

前述の「サラリーマンの夫と専業主婦」の夫婦世帯が、平均的な年金額のみを老後の収入とする場合、ゆとりある生活を過ごすためには毎月16万円程度のマイナスとなり、貯蓄を取り崩す状況となりますね。

金融資産非保有世帯を含む「70歳代以上・二人以上世帯」の貯蓄額中央値で考えると、1000万円(貯蓄額の中央値)÷16万円(毎月の赤字額)=62.5カ月となり、約5年で貯蓄が枯渇する計算になります。

老後に必要となる生活費は、健康状態やライフスタイルなどによって人ひとそれぞれです。それをふまえたとしても不安を感じる結果ではないでしょうか。