また、ニュースについては、長年の実績やウェブサイトでの提供という特性上、ヤフーの方が幅広くかつ多量のニュースを提供できているようだ。

一方のLINEについては、スマホ上という表示できるスペースの限界などもあって、利用者にとって注目度の高そうなニュースを厳選して提供するというスタイルをとっている。両社のニュースサービスには「ウェブサイト」と「スマホアプリ」という形式の違いからくる差がサービスの在り方に大きく表れている。

そのほか、ヤフーには料理レシピの紹介サイト、LINEにはWebキュレーションサービスといった、他方にはないような独自のサービスも展開しており、同じ「メディア・広告」の領域でも両社の戦略の違い・個性がうかがえる。

両社は経営統合において「ネット広告での市場シェア拡大」というシナジーが期待できると明らかにしている。

検索サービスやニュースサイトを中心に多くの利用者を持つヤフーと、圧倒的なシェアを誇るスマホ通信アプリを展開するLINEが統合することを考えると、シェアが大きく広がるのは当然といえば当然だ。ただ、シナジーというのだから、大きな足し算だけにとどまらない「+α」の効果も見込めると両社は考えているのだろう。

広告主(広告を依頼する側)から見れば、ターゲットとしたい層を網羅できるか、より多く効率的にターゲットにコンタクトできるか、良好なレスポンスが得られるかといった点が重要となる。