また、2019年12月期では、6月に出店計画を210店舗から115店舗へと大幅に下方修正し、それに伴って業績予想も引き下げ。11月にはさらに44店舗の閉店を決定しており、多額の減損損失も計上することで、冒頭に述べた2019年12月期、純損益27億円の赤字の着地に至った。
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背景には「世間の飽き」?
「いきなり!ステーキ」の既存店売上高は2017年のピーク時には前年比20~40%増と非常に高水準な成長を見せていたものの、2018年に入ると鈍化。同年4月以降からは前年割れが長らく続いている。
2019年7月からは30%以上にまで減少幅は広がり、最も悪い月だと40%を超える月もあった。客単価はここ数年ほぼ横ばいであるものの、客数の減少が顕著であり、それが既存店売上高の軟調につながっている。上述したように、これについて会社側は店舗数の急増に伴う店舗間の競争激化が原因としている。
ただ、「ステーキを立ち食いする」という斬新さ・話題性が集客につながっていたという側面を踏まえると、「いきなり!ステーキ」の繁盛は一種のブームだったとも考えられ、既存店の軟調の原因には店舗同士の競争激化のほか、単純に「世間が飽きた」という筋も大いにあり得そうだ。
自己資本比率の実績はわずか"2%"台に
業績の急拡大から一転、多額の損失を計上したペッパーフードの財務は急激に悪化している。純資産は2018年12月期末の37億円から、2019年12月期末には6億円にまで減少。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03