株価(以下、株式分割を考慮)は、2017年1月までは500~700円で長らく推移していた。そして、業績拡大やマザーズ市場からの市場変更が好感され、同年2月以降に急上昇。11月には8000円を超え、わずか1年足らずで俗にいう「テンバガー(株価が10倍まで上昇)」を達成した。
しかし、そのタイミングで既存店売上高の伸びが鈍化し始め、以降は成長期待の剥落や業績悪化を背景に売りが継続。直近ではFCFの大幅赤字なども嫌気され、2020年3月30日現在で株価は431円。振り返ると、2年ちょっとで「逆テンバガー」を起こすなど、ジェットコースターのような株価推移となった。
バリュエーションもジェットコースターの様
バリュエーションも大きく変化してきた。以下、前期の純損失や今期の低水準な純利益を考慮してPER(時価総額 / 純利益)ではなく、PSR(時価総額 / 売上高)で説明する。
ペッパーフードのPSRは株価が上昇し始める2017年2月までは、1倍前後で推移してきた。1倍という水準は典型的な成熟企業とおおむね同じ水準であり、成長はさほど期待されていない。
しかし、以降は株価上昇に伴って急激に上昇し、同年終盤には4~5倍で推移。PSR4~5倍というと、業種こそ違えど、高成長の期待される企業などにつくような水準である。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03