出店が2店舗予定されているので実質72店舗の減少となるが、2019年末時点での493店舗に対して15%近く削減することとなる。そして何より、近年急激に拡大してきた「いきなり!ステーキ」の店舗数が減少に転じるということが大きな転換点だ。
ペッパーフードは「いきなり!ステーキ」事業のほか、「ペッパーランチ」「レストラン」「商品販売」の計4つの事業を手掛けているが、「いきなり!ステーキ」事業の寄与は非常に大きい。
「いきなり!ステーキ」の店舗当たり売上高はその高単価・高回転の強みを活かすことで、「ペッパーランチ」の約10倍にも上る。
「いきなり!ステーキ」事業はスタートして以降、「ステーキを立ち食いする」という斬新なコンセプトがヒットし、メディアへの露出増加やネットでの話題性もあって繁盛した。それに伴い、店舗数も急拡大。会社全体の売上高も2018年12月期までは驚異的なペースで伸びてきた。
ペッパーフードの業績拡大の立役者となってきた「いきなり!ステーキ」事業だが、今期の当初計画は店舗数、セグメント売上高ともに減少する見通しだ。店舗数を増やし過ぎたせいで店舗同士の客の取り合いが激しくなり、事業としての収益性が悪化しているとの見方もある。
実は、この兆候については2018年12月期から出始めていた。この期の第4四半期(2018年10月~2018年12月)に、「いきなり!ステーキ」の関連資産で10億円規模の減損損失を計上。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03