5. 始める前に確認しておきたい!こどもNISAの3つの留意点
こどもNISAは魅力的な制度ですが、利用を始める前に次の3つの点もあわせて確認しておくと安心です。
第一に、元本保証がないという点です。こどもNISAで購入できる投資信託は価格が変動するため、市場の動きによっては積み立てた元本を下回る可能性もあります。ただし、10年以上の長い期間をかけて積立と分散投資を続けることで、価格変動のリスクをやわらげやすいと言われています。
第二に、払出しには厳格な条件がある点です。12歳以降の払出しは「教育資金など子どものための資金であること」「子ども本人が払出しに同意したことを示す書面の提出」「金融機関への事前の申請」などが必要になる予定です。親の都合でいつでも自由に引き出せるわけではない点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
第三に、祖父母などからの資金援助は贈与の扱いに注意が必要な点です。暦年贈与の基礎控除(税金がかからない枠)は、贈与を受ける人1人につき年間110万円です。こどもNISAの年間投資枠60万円はこの枠内に収まりますが、同じ年に他の人から受けた贈与と合算される点に注意が必要です。また、親が勝手に管理していると「名義預金(実質的に子どもの資産と認められない預金)」とみなされる恐れもあるため、不安な場合は税理士などの専門家に相談してみることをお勧めします。
6. まとめにかえて
今回は、2027年1月にスタートするこどもNISAの仕組みや、旧ジュニアNISAとの違い、積立シミュレーションについて解説しました。
こどもNISAは、0歳から子ども名義で年間60万円までの非課税投資ができる制度であり、12歳以降は条件付きで教育資金としての払出しが可能になるなど、使い勝手が大きく向上しています。毎月1万円の積立であっても、時間を味方につけることで私立大学の初年度納付金に向けた心強い備えとなる可能性があります。
教育資金の準備は家計の大きなテーマですが、投資にはリスクも伴います。各ご家庭のライフスタイルや経済状況に合わせて、無理のない範囲で新しい制度を取り入れてみてはいかがでしょうか。
教育資金の準備は「いつまでに、いくら必要か」というゴールを明確にすることが最も大切です。これまで数多くの家計相談に携わってきましたが、投資による準備だけに偏らず、確実性の高い預貯金や学資保険などとバランスよく組み合わせることが、長期的な家計の安心につながります。こどもNISAのメリットを賢く活かしつつ、ご家庭ごとの方針に合った無理のないペースで将来への備えを進めていきましょう。
参考資料
- 財務省「令和8年度税制改正」
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
- SBI証券「こどもNISA」
- 楽天証券「【こどもNISA】10月1日(木)より口座開設受付開始!」
村岸 理美